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「冬のソナタ」(2003年日本放映)で描かれた一昔前の韓国の姿は、日本人のアナログ的な感性を刺激したとも言われる。今回の「愛の不時着」では、描かれる北朝鮮の現状に、最先端のIT国家となった韓国人がアナログ的な感性を刺激されたと言えるかもしれない。

■理由3:2人の主演俳優の魅力

「愛の不時着」ブームの理由として、もちろん2人の主演俳優の魅力も欠かせない。

セリ役のソン・イェジンは、男女問わず好感度の高い女優だが、今回は特に男性視聴者を引き付けるのに一役買った印象だ。一方、タフガイ的な魅力とロマンスの主人公としての魅力を兼ね備えるジョンヒョクを演じたヒョンビンは、女性視聴者を虜にした。184センチの長身に広い肩、繊細で穏やかな目つきのヒョンビンの制服姿に惚れない女性がいるだろうか。

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 水泳選手出身のヒョンビンは、デビュー当時からラブコメドラマの常連。多くの作品で主役をつとめて、ドラマ界で最高のスターと評価されてきた。しかも、2011年に訓練が最も厳しいとされる海兵隊に志願して入隊したことで、大人の男性的な魅力が加わり、演技者としてもワンランクアップしたという評価を受けている。

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 余談だが、南北の軍事境界線である板門店に配置された軍人は、ドラマの中のジョンヒョクのようにハンサムな若者が多い。対立する両国が直接向き合っているだけに、わざと背が高いイケメンを両国ともに選抜するからだ。実際、観光で板門店を訪れて韓国軍人に惚れてしまい、親の反対を押し切って結婚した日本人女性を私は知っている。彼女は、いま韓国で愛する家族と幸せに暮らしている。

「愛は国境を超える」というが、「愛の不時着」はこの平凡な真理を再び教えてくれているようだ。