文春オンライン

《明石家さんまに直撃》コロナ禍に「どうなんねやろどうなんねやろ」社会の変化に戸惑う“お笑い怪獣”の胸中は……?

note

東野幸治は「さんまさんもアップデートを」

 東野が言及したのは、昨年8月20日に放送された「踊る!さんま御殿!!」(日本テレビ系)で、さんまが性別不詳のものまね芸人・りんごちゃんへの発言で炎上した一件だ。

《さんまさんだけです。(りんごちゃんに)『オッサンやないか!』って言ったの。さんまさんも俺、アップデートしなきゃいけないと思うんです。我々もそういう心構えでいてるし》

《昔だったら『オッサンがなに言うてんねん』とか『オッサンがなにしてんねん』とか、『オッサン』という言葉を使っていたらだいたいオチてたんですけど、いまはそのワードは言ってはいけません》

ADVERTISEMENT

《えらい時代。アップデートしていかなければいけない。自分の考えが全て正しいと思わないようにしてるんですよ》

苦言を呈した東野幸治 ©︎時事通信社

 東野は、昨今急激に変化するジェンダーやLGBTsへの価値観を、さんまも「アップデートすべきだ」と主張したのだ。この発言について「東野さんの決意が見て取れる」とするのはお笑い評論家のラリー遠田氏だ。

「今年2月に開設された東野さんのYouTubeチャンネルですが、東野さんが先輩芸人に対して提言するのは初めてです。東野さん自身も動画内で認めていますが、若い頃は破天荒キャラで過激な発言も多かった。ですがゴールデン番組でMCなどを務めるようになってから、作り手が何を求めているのかを第一に考えるようになったのでしょう。世間の価値観や空気が変わっているので、芸人もそれに伴って変化していくべきという東野さんの意識が垣間見えました」

さんまは直撃取材に……

 しかしラリー氏は、「さんまさんは、世間の価値観の変化とは逆のスタンスをとることで笑いのスタイルを作っている」とも分析する。

「りんごちゃんの件で炎上していましたが、『性別不詳』として知られるりんごちゃんのような人は、周りの出演者に性別のことで過剰に気を遣われて、『こういう人にも理解を示さなければ』などと思われるのは、かえってやりづらい場合もあるかもしれません。バラエティの大多数の出演者が東野さんのように意識を変化させてる中で『オッサンやないか!』なんて、さんまさんくらいの大御所でないと言えません。さんまさんは、自分が悪く思われることを承知の上であえてそういう役回りに徹することで、周りの芸人たちがフォローに入れるだろうという計算の上で言っていたのだと思います」

 一方で、そういったスタイルは支持されにくくなっている現状もあるようだ。

「いま世間の目がとても厳しくなっている。発言1つで大炎上してしまう世の中ですから。そのなかでさんまさんが自身のスタイルをどこまで貫き続けるのか、今後はそこが気になります」(同前)

 取材班はさんまに直接話を聞くべく、収録後、愛車に乗って帰宅する本人に声をかけた。

――文春オンラインです。最近いかがお過ごしですか。

 そう話しかけると少し疲れたような表情を見せながらも、こちらを向いて元気そうな声でこう答えた。

「静かに暮らしてるわ!」

 そして「おつかれさん!」と手を挙げて、ガレージの中へと消えていった。

《明石家さんまに直撃》コロナ禍に「どうなんねやろどうなんねやろ」社会の変化に戸惑う“お笑い怪獣”の胸中は……?

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー