玩具売り場を通りかかるとプラレールのコーナーを眺める。懐かしさと同時に、新しいレール部品の進化に感心する。ロボットに変形する「シンカリオン」が出たときはホントにびっくりした。実物の新型電車の製品化も早い。店頭には「自動車運搬列車」という乗用車を運ぶ2階建ての貨車や、国鉄時代の電車もある。いまの子どもが知らない車両だ。もしかしたら、これは大人向けラインアップではないか。

 間もなく「ぼくもだいすき! たのしい列車シリーズ ノスタルジックTOKYO 0系新幹線」が発売される。白と灰色の0系電車は、まだカラーテレビが普及する前の、モノクロ画面のニュース映像をイメージしたそうだ。確信した。プラレールは子ども向けだけではない。「大人の玩具」でもある。

 大人はプラレールでどんな遊び方をしているだろう。車両を集めて棚に飾るだけ? いやいや、大人のプラレールは奥が深く、おもしろい。筆者が尊敬するプラレールの達人に「マジで遊ぶプラレールのテクニック」を伺った。

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レールを5000本以上使った圧巻のレイアウト(提供 松岡純正さん)

「実在駅の駅や路線を再現」松岡純正さん

 Webサイト「プラレールの宿」を運営する松岡氏は「再現の達人」だ。実在の駅をプラレールで再現し、Twitterに投稿するたびに話題となった。プラレールの限られた部品で作りつつも、プラットホームやポイントの配置など特徴を捉え、鉄道ファン、プラレールファンの共感を呼んだ。そのテクニックを駆使し、市民ホールなどを借りて「路線の再現」もチャレンジ。タモリ倶楽部などテレビ番組にも出演している。

――駅の再現は楽しいですね。実は私も子どもの頃、東急池上線の雪が谷大塚駅を再現して遊んでいました。松岡さんが最初に再現しようと思った駅はどこですか。

松岡 最初に再現しようとした駅は地上時代の京王線の調布駅です。丁度5年くらい前になります。新しい分岐レールが発売されて、レイアウトを組んでいたら「これ、調布駅みたいな配線できるなぁ」と思い、そのまま作ることにしました。

地上時代の京王電鉄調布駅、京王本線と京王相模原線の平面交差が名物だった(提供 松岡純正さん)

――実際の線路とプラレールの違いに苦労しませんか。

松岡 苦心はしてないと思います。当時は夢中で作っていましたので……。