配線図、前方展望動画、Google Map……再現駅はこうして作られる
――私が松岡さんの作品で感動した再現駅は京急蒲田駅でした。立体交差完成後は高架駅の威容から「蒲田要塞」と呼ばれています。複線の上下待避駅構造、空港線分岐など配線が複雑ですよね。再現駅の作り方を教えてください。
松岡 まず配線図(線路の配置図)を探します。京急蒲田駅は、駅の中でも人気が高いので、ネットや雑誌などから配線図を見つけることができました。
そのあと、動画サイトで「前方展望動画」を観ます。京急の品川方面、横浜方面、羽田空港方面の上下線を全部、配線図と合っているか確かめ、勾配や信号の位置、架線の形や踏切の大きさなどもチェックして、どのプラレールの部品が合うか考えます。
次に、Google Mapを見て、配線図を書き起こし、周りの道路、建物、川などを描き足します。あとは、配線図に合うようにプラレールの線路や駅などのパーツを組んでいきます。最後に車両を置いて完成になります。
――京急蒲田駅は特徴的ですが、特徴のない駅も、その駅を走る電車を置くとそれらしくなりますね。実際に駅へ行って観察しますか?
松岡 実際の駅に行くことはほとんどありません。京急蒲田駅も過去に一度も行ったことがありません。お恥ずかしい話ですが、京急線は一度も乗ったことがないです。参考資料は、Google Map、YouTubeなどの動画サイト、個人のブログ、鉄道ファンなどの雑誌になります。
――えっ、そうなんですか。意外です。でもネットには参考資料がたくさんあると。出掛けなくても駅の再現にチャレンジできるんですね。蒲田駅で使ったパーツはどれですか。
松岡 現行商品では、直線レール、高架直線レール、高架曲線レール、橋脚、ポイントレール、プラキッズ駅セットなどです。廃盤商品のステーションパネル、ジョイントレール、立ち木、道路も使いました。
廃盤パーツの入手方法は?
――廃盤になるパーツもあるんですね。私が子どもの頃に愛用した複線ポイントも廃盤になってしまったようです。廃盤パーツはどこで入手できますか。
松岡 半分くらいは、定番で売っている時に買いました。あと半分は、オークションサイト、中古リサイクル店、フリーマーケットなどで入手します。
――逆に、新しいパーツのおかげで再現がはかどったという駅はありますか。先ほどの地上時代の調布駅は、複線ターンアウトレールを真ん中に使うときれいに収まりそうです。
松岡 地上時代の調布駅は、複線ターンアウトレールのようなスマートな分岐ではないので、ターンアウトレールなどで合わせていく方がいいと思います。