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駅の再現で使うパーツは市販品のみ

――なるほど、実物がプラレールのようにスマートではないって面白い視点ですね。

松岡 「複線わたりポイントレール」「複線幅広ポイントレール」が出たおかげで、大宮駅、大和西大寺駅など、分岐の多い駅を再現できるようになりました。高架の複線外側レールも出たので、仙台駅、掛川駅など新幹線の駅も作りやすくなりました。地下レールが発売されてからは、名古屋駅や横浜駅で地下鉄の駅も作れます。

――パーツを自作しても面白そうですね。いまなら3Dプリンタとか、ホビー材料で作れそうです。

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松岡 自作する場合もありますが、駅の再現では使わないようにしています。他の人が再現できなくなってしまうので。

――あっ、なるほど。市販品でまとまっていると、自分もやりたいって思いますね。自作品が入るとハードルが上がってしまう。いままで作ってきた駅で、もっとも印象深い駅をひとつ教えてください。

松岡 北千住駅です。初めてネットでバズるという経験をしました。インターネットでは、無名な人も何か一つ尖らせて活動していけば人生逆転できると学びました。

ネットを騒然とさせた「北千住駅」の再現(提供 松岡純正さん)
つい指でなぞって経路をたどってみたくなる(提供 松岡純正さん)

――無名どころか、いまではプラレール界のトップランナーですよね。

巨人となって旅をしている気分を味わえる「プラフェス」

 松岡さんはほぼ毎月「プラフェス」というイベントを開催している。さいたま市のプラザノースという市民施設で、約700平方メートルのスペースを貸し切ってプラレールを敷き詰める。筆者は2019年9月の「京急~都営浅草線~京成電鉄」を再現したプラフェスを見学した。ひと目見ただけで「ここはあの駅だ」「ここは……そうかあそこか!」と感服。床に敷いた線路群をまたぎながら、沿線を探訪した。まるで巨人となって旅をしているような、楽しい気分だった。

「プラフェス」は鉄道再現展示でもあり、遊び場でもある(筆者撮影)

 その展示物のプラレールで、子どもたちが自分の電車を自由に走らせる。これも感動した。プラフェスは観るだけのイベントではない。遊んでこそプラレールだ。おうちでひとり遊びより、大規模なレイアウトでみんなと遊べる。親も自宅にレールを広げられるより、ここで遊んでくれた方が助かるのかもしれない。親子の参加者たちで賑わっていた。

「プラフェス」もいまは自粛中とのこと。再開が楽しみだ。それまでは自宅で最寄り駅の再現にチャレンジしてみよう。駅の構造、複数の線路の使い方など、実際の鉄道に対する知識や理解が深まることだろう。

松岡さんは公式サイト「プラレールの宿」で「プラフェス」や再現駅を紹介している。

INFORMATION

プラレールの宿
https://www5.hp-ez.com/hp/-0w0-/