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「日本のそばの自給率をあげたい」

 そして、自噴する天然水も飲ませてもらったのだが、硬度が低い軟水で相当うまい。そばやつゆの仕込みにうってつけだ。今後は農泊の施設を充実させて、首都圏の農業従事者を受け入れていきたいとのことである。

 石井社長は「日本のそばの自給率は20%程度だから、どうにかして地場の生産を上げていきたい」と熱く語る。さらに、「コロナ禍の対策にそばの地産化推進はある意味1つの解決法じゃないかと考えているのです。輸入に頼らない自立した農業という点でね。自分(てめえ)の粉で勝負する時が来たんですよ」

こちらはまだ植えたばかりのそばの新芽が並ぶ
丹沢そばアカデミー二期生の小野茂さんにも運転同行いただいた
天然水は硬度が低い軟水で相当うまい。そばやつゆの仕込みにうってつけだ
渋沢駅に向かう間、アカデミー生が作るたくさんのそば畑をみせてくれた

 渋沢駅に向かう間に、石井社長はこんなこともつぶやいた。

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「自分レーサーやってたでしょ。コース走るとき、攻めようとすると後輪がコースアウトしたり、スピンすることもある。そういう時、どうやってリカバリーするかを常に頭に入れて、廻りをよく観察して走るんですよ。敷かれたコースの上をきっちり上品に走るだけでは、決して勝負にならない。そばも農業も同じ。チャレンジしないとね。自分のように失敗をたくさんした亀は強いよ」

 人間には可能性があるとしみじみ感じた取材だった。石井社長は熱い。とにかく熱すぎる。書き尽くせないような話題も満載で充実した3時間超えの取材となった。

「丹沢そば本店」のユニークな取り組みの仕組みをまとめてみた

 帰りの小田急線の中でも、まだそのパワーの余韻が続いていた。自分も弟子入りしたい位である。また、あの幻のような広いそば畑をまた見に訪問しようと誓った次第である。

写真=坂崎仁紀

INFORMATION

丹沢そば本店

住所:神奈川県秦野市堀川541-3
営業時間:火~金 11:00~15:00
         17:00~20:00
     土日祝 11:00~20:00 
定休日:月(祝日の場合は翌日)
http://tanzawasoba.jp/