文春オンライン

箕輪厚介氏「セクハラ問題」に見る、成り上がりとコンプレックスと業界あるある話

2020/06/08
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仲間内では通用しても……

 文春オンラインが5月30日付の記事で報じた、箕輪編集室のサロン会員向け動画の中で、俺は悪くないと強がるのも、「箕輪厚介とはこういう人だ」という内輪でなら通用するキャラ付けによる強弁だろうと思います。でも、それは仲間内では通用しても、第三者がしげしげと鑑賞できてしまうとなると、一気に恥ずかしい展開になるだけでなく、セクハラ行為をしておきながらしゃあしゃあとこんな発言して大丈夫なのかという批判を受けることになります。

【動画】幻冬舎 箕輪厚介氏「何がセクハラだよボケ」「俺の罪って重くない」「反省してない」オンラインサロン会員へ大放言《動画入手》

 翻って、出版業界の売れ線を作るにあたり、ビジネス書から自己啓発まで幻冬舎・箕輪厚介さんが作り上げた売るためのサイクルは偉大です。内容よりも売れる仕組みができればよいのだというAKB的な支持の仕組みと、いや、本というものはきちんと中身があるものであるべきだという古き良き出版サイドの価値観とが交錯するのですよ。

 確かに、箕輪厚介さんが動画の中で言っていたように「批判している奴は嫉妬」というのもまた一面で事実なのは間違いありません。売れる本を作れる人が正義だからこそ、その仕組みを作った箕輪さんが一介の編集者に過ぎないのに文春砲の対象になったわけだから。

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 そして、嫉妬というエネルギーが充満していたからこそ、あいつは許せんという燃料と共に、一気にネットで空気爆発に至りました。人気商売とはこういうものであって、これを糧に、いろいろ反省もしつつ箕輪厚介さんにはさらなる話題の中心に来て欲しいですし、もう少しでいいので、著者がしっかりと本の内容や執筆に向き合う作り方に変え、刊行物の質を高めていっていただければと願っています。

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箕輪厚介氏「セクハラ問題」に見る、成り上がりとコンプレックスと業界あるある話

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