文春オンライン

「愛の不時着」北朝鮮出身女子大生が語るリアル 北の女性は本当に“闇市”で服を買わなきゃいけない?

「どんな化粧品を使ってるの?」「嫁入り道具は?」…8つの疑問に答える

2020/06/09
note

Q7:北朝鮮にもウエディングドレスがあるの?

 ドラマには、闇営業のウエディングドレス店が登場するが、北朝鮮でも結婚式でウエディングドレスを着るのだろうか?

「ドラマとまったく同じですね。平壌の高級オーダーメード店では、密輸業者に依頼して、中国のデパートからウエディングドレスを買い付けて、密かに売ります。富裕層が主な顧客。扱うのは、中国製や韓国製、日本製のものが多いです。

 ただ、当然ながらウエディングドレスを買っても、それを着て結婚式を挙げることはできません。ウエディング写真を撮って記念するだけです。一般的な結婚式は主に食堂で行いますが、女性はチマチョゴリ、男性はスーツを着るのが一般的です」

ADVERTISEMENT

式典に集まる北朝鮮の女性たち(2019年2月、平壌) ©getty

 では、結婚する際にはどんな準備をするのだろうか。

「嫁入り道具としてはドラマのように6大家電(テレビ、冷蔵庫、扇風機、洗濯機、カメラ、CDプレーヤー)が必須です。韓国ドラマが見られるDVDプレーヤー、コンピューターを準備する花嫁も多いです。

 よく停電するので『家電なんて何の役にも立たないのではないか』と思うかも知れませんが、ある程度の収入のある層は、中国製の発電機や軍用トラックから取り出した蓄電池を利用して自家発電します。最近、平壌から脱北した友人の話によると、富裕層の間では婚礼には、携帯電話、オートバイ、アパート、そして持参金が必須だといっていました」