子ども周辺のママ友の間でも、年寄りが集まる介護施設でも、都民が集まる場で小池百合子さんの話題で持ちきりなんですよ。

 私なんかは小池百合子さんは政治家として論外だと思いますけどね。安倍ちゃんを真似たのか、質の低いお友達政治に邁進した挙句、築地から豊洲市場に移転する際には勝手に「立ち止まる」とか言って100億円単位の都税を無駄に。また、東京オリンピック関連では森喜朗さん相手に自慢の政治力が通用せず、国立新競技場も二転三転した上に湾岸都民の生活に必要な2号線ができない上、ホストなのに五輪開催の意志決定から実質的に外される。

2017年6月20日、会見で豊洲移転を発表 ©文藝春秋

たぶん、今回の都知事選でも完勝することでしょう

 さらには、都議会選挙で「都民ファースト」なる私兵集団が善戦したのに気を良くして国政にちょっかいを出そうとし、党勢拡大が果たせず行き詰っていた旧民進党の棟梁だった前原誠司さんを篭絡して自分はリスクを犯さないまま「希望の党」とかいう絶望的な組織を作って階上に前原さんを上げ、梯子を外して放火するという。何してんだよ。いや、前原さんもこんな分かりやすい罠に引っかかるなよ。結果、希望を失った希望の党の後継政党である国民民主党なる泥船の船長を押し付けられた玉木雄一郎さんが泣いているぞ。

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 まあ、要するに小池百合子さん本人が独善的すぎて、巻き込まれた周りの人たちが沈んでいく運命にあるんですよね。たぶん、今回の都知事選でも小池百合子さんは完勝することでしょう。

 真っ先に手を上げたのがN国党の立花孝志さん。なんかホリエモン新党とか掲げてますけど、全然勝てる要素もなければ泡沫候補としての価値もないでしょう。もはやNHKすら関係ないじゃん。同姓同名の「小池百合子」さんを擁立する話もあるらしいですが、静岡4区補選で同姓同名候補立ててもほとんど票取れなかったの分かってるでしょ。

 そして、その流れで出馬観測まで出た堀江貴文さん。結局は都知事選のタイミングで出版した本の宣伝目的でエア出馬の噂を流しただけなのかよ。せっかくの箕輪厚介責任編集だったのに。セクハラで燃えた箕輪さんの最後の仕事になるかもしれないんですよ、分かってるんですか。それに、なんだ、あのホリエモン新党ってのは。何名前貸ししてんですか。仕事が雑過ぎるでしょ。「東京都改革」に噛みに来るのなら、もっと真面目にやれって思いますよ。

「東京改造計画」をNewsPicks Bookから刊行した堀江貴文氏 ©文藝春秋

イタ電ラッシュで涙の出馬見送り

 さらには、左派の期待を集める“日本のサンダース”、宇都宮健児さんが出てくるかと思ったら、今度は山本太郎さんも出馬するかも知れないとかいう風評が出て、これもう左派の内ゲバ待ったなしじゃないですか。なんでただでさえ乏しい左派票を宇都宮・山本で分割する必要があるのか。

 これもう、左派陣営の中での勝つ負けるというメンツ争いに他ならないでしょう。普通に立候補しても小池百合子さんにはどうせ勝てないけど、立候補しないまま宇都宮さんに次点取られたら山本太郎さんの東京での左派からの声望が失われるから、是が非でも立候補して宇都宮さんよりも票を取りたいんですかね。非常にレフトな思想ですね。お陰で昨日から「山本一郎は宇都宮健児さんの邪魔をするな」とか「山本一郎はクズだから立候補を見送れ」などとクレームメールが殺到してるんですよ。いいですか。私は山本一郎であって、山本太郎じゃないんですよ。

2014年にも都知事選に出馬した経験のある宇都宮健児さん ©文藝春秋

 候補者調整ぐらいしろや、と言いたいところですけど、よく考えたら前回の選挙では、なぜか突然鳥越俊太郎さんが出馬すると言いだして、先に出馬を決めていた宇都宮陣営に「お前は出るな」とイタ電ラッシュで涙の出馬見送りとかやっていたのを思い出した。その結果が、鳥越俊太郎さんはスキャンダル報道でグズグズになり、炎天下の中で選挙カーの上で演説をすることもままならずに大失速して晩節を素敵に演出しておられましたね。