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ツイッターにヘイトの「見落としはないか?」

 われわれとしても、ある人が意図を持ってトレンドを操作できないように万全を期してはおります。ただ、「完璧」というものはおそらくないと思います。

 実際にヘイトについても「何をもってしてヘイトなのか?」ということは明確な線引きは難しいものがあります。

 これは現に最近あった事象なのですが、とあるツイートに対して、いろんな方が「これはヘイトだ」とレポートしたのですが、それがなかなか対処されなかったということがありました。

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 何が起きていたかというと、ひとつのツイートだけを見るとかならずしもヘイトとしては捉えられないようなものもあるんですね。ツイートというのは文脈で解釈が変わってくることもあります。

 

 ポリシーに反したツイートに対してグローバルで対応する専門チームがあるのですが、彼らも当然何か意図を持ってどちらかに寄ったような判断はしません。文脈を見たり、前後を見たり、もちろん言語のこともある。いろんな要素を見て、ツイッターのポリシーに照らし合わせて判断をしているわけですね。そのときに見落としたものが「まったくないか?」と言われてしまうと、100%できているとはいえません。また、冗談だったり、本気ではないなどの性質を、どのように精緻に捉えるかも非常に求められるんですね。

 ただもちろん、ヘイトを放置したいという気持ちはまったくありません。そこははっきりと申し上げておきます。

「#検察庁法改正案に抗議します」は、大きなムーブメントになりました。そして全部が全部「抗議する」ということだけではなく、逆の見方をされる方々もいらっしゃった。両サイドの意見がしっかりと発信された事象だったのではないかと思います。ああいった健全な議論が公開の場であの規模でなされていくということは、これまでの自分の記憶にはないので、ひとつのいい事象だったかな、と思います。

 健全な会話が公開の場でなされる。自由に発言できる。そのことを大切にしています。一方で、ヘイトをはじめとした悪意を持ったツイートには対応しなければいけません。ここはいわば表裏一体で、ぼくらとしてはこの両立を目指して、日々向き合っているということは申し上げておきます。

構成=竹村俊助 @tshun423
写真=杉山秀樹/文藝春秋