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「みなさん、 “耳野郎”というあだ名で覚えてくださって」

ーー韓国ではふたつのケーブルテレビの視聴率記録を塗りかえる作品に立て続けに出演されて、人気が急上昇しています。日常生活で何か変わったことはありますか?

「芝居をずっとやってきて、ドラマは『ベートーベン・ウィルス』(2008年、チャン・グンソク主演)で小さな脇役で出演以降、時々本当に小さな役をやっていました。役らしい役は『マイ・ディア・ミスター ~私のおじさん~』(2018年)からでしょうか。それでも、街を歩いていても気がつかれる方はほとんどいませんでした。

 ところが、最近はマスクをしていても “耳野郎”や”ジェヒョク”(ドラマ『夫婦の世界』での役名)を見ていましたって声をかけてくださる方も増えて、驚いています。特に”耳野郎”は、ドラマではチョン・マンボクという名前があるのに、みなさん、 “耳野郎”というあだ名で覚えてくださって。そんなことは今までなかったことなのでとてもうれしいです」

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 「日本の是枝裕和監督のファンです。『万引き家族』もとてもよかったです。重たいテーマになりがちなものをささやかな暮らしの喜怒哀楽を通して見せてくれる監督ならではの映画的な言葉がとてもいいです」

耳野郎の最後のシーンには「ああ、幸せになってよかった」って

ーー『愛の不時着』はキム・ヨンミンさんの俳優人生においてどんな作品となったのでしょうか?

「これほど視聴者の方に愛された作品は初めてで、役者人生の中で、こんな作品に一度巡り会えるかどうか……。『愛の不時着』に出演できたことは俳優として大きな幸運だったと思っています」

ーー最後に、『愛の不時着』の中でご自身が好きなシーンはどこでしょう?

「セリとジョンヒョクが平壌に向かう途中で汽車が停電し、汽車から降りてふたり並んで座るシーン。そして、合成して使ったのかと言われたほど壮大なスイスの山間のシーンでしょうか。

 あとは、やはり、耳野郎の最後のシーン。盗聴から離れ、映画撮影所で音を拾っているシーンで、ああ、幸せになってよかったって本当に思いました。このシーンは、台本には“『春の日は過ぎゆく』(2001年、韓国映画)のイメージ”と描写されていました。私のカカオトークの写真はこの音を拾っている耳野郎の後ろ姿です」

 

写真=Junwoo Cho