長く続いた自粛ムードもずいぶん落ち着き、いよいよ6月19日から県をまたぐ観光が徐々に解除されそうだ。政府が5月25日に発表した「外出自粛の段階的緩和の目安」によると、現在は東京・千葉・埼玉・神奈川・北海道との境界をまたぐ移動は「慎重に」とされているが、これも19日には解除される見通しだ。
ただし海外旅行については外務省が全世界に対して一律に不要不急の渡航はやめるよう求めており、また181の国と地域が日本からの渡航者の入国を制限していて、いつ解禁になるのかまだ不透明な状況となっている。(6月10日時点)
こうした中、Twitterでは海外旅行の必需品についてのちょっと明るい話題が反響を集めていた。
新しいパスポートが最高すぎる。
Maiko Kissakaさんが投稿したのは、今年から新しくなったパスポートの中身。日本人なら誰もが知っているであろう葛飾北斎の「富嶽三十六景」が見開きでデザインされている。
このパスポートは2020年2月4日以降の申請に対して発給されているもので、表紙・裏表紙・人定事項・ICページ等を除き、10年用は48ページに24作品、5年用は32ページに16作品を使っている。
この投稿には9万5000のいいねがつき、Twitterでは、目新しいデザインに好意的なコメントやうらやましがる人が続出していた。(6月10日現在)
・今のパスポートは こんなにオシャレなのか…
・旅行に行かなくてもほしくなる
・更新までずいぶんあるのが残念
・こんな絵柄にスタンプ押されてしまうのは逆に残念かも
評判は上々のようだが、実は表紙のデザインは以前のものと全く同じ。
なぜ中身だけ変更したのだろうか?また、どうして「富嶽三十六景」を選んだのか?
外務省の旅券課に聞いてみた。
デザイン変更は偽変造対策のため
――デザインを変えた理由は?
わが国では、パスポートの信頼性及び安全性に関する国際的な要請を踏まえ、定期的に新しいセキュリティ技術を取り入れて偽変造対策を更新しており、今回のデザイン変更もその一環です。
ちなみに、2006年からはセキュリティ向上のためパスポートにICチップを導入。それに加え今回のページごとに異なるデザイン採用は偽変造対策にも有益だという。また、当初は2020年に開催予定だった東京オリンピック・パラリンピックを念頭に、導入を目指したとも説明している。