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#05 林遣都「火花」の徳永
儚さを秘めた林遣都の容姿が 青春残酷物語と絶妙にマッチ
「おっさんずラブ」の冷静沈着な牧、「スカーレット」での慌ただしい信作、というふうに幅広い演じ分けが記憶に新しい林遣都。
彼の役者としての凄みは、ちょっとした表情や仕草でもってキャラクターのニュアンスを演じ切る細かさであるように思います。
又吉直樹が創出した、「こういう人間です」とはっきりとカテゴライズできない主人公・徳永の“揺らぎ”を演じ切った「火花」を彼のベストワークに挙げたいです。
美しいけれども、どこか物悲しい顔面、しなやかなのだけど儚いという身体性、そんな林遣都のヴィジュアルが、売れない芸人の10年間を描いた青春残酷物語と絶妙にマッチしていました。
