文春オンライン

月収1200万円「ピークを知る男」小島よしお 「そんなの関係ねぇ!」の呪いが解けた時

「一発屋」ピン芸人の新しい生き方 #2

2020/07/11
note

単独ライブでウケなくなった危機感

――ブレイク後、子ども向けの仕事が増えていったきっかけを教えてください。

小島 大きなきっかけは、2008年頃から単独ライブでまったくウケなくなったことですね。仕事も減りはじめていて、僕と同じようにリズムネタで人気を集める新人も出てきて、このままではマズいと感じていました。裸をやめて服を着てみたり、次の方向性を模索していた頃に、先輩芸人の東京ダイナマイト・松田大輔さんが「子ども向けにネタやイベントをやってみたら?」とアドバイスしてくれたんです。

 さっそくやってみようと取りかかったはいいものの、それまで子ども向けのイベントをしたことがなかったし、周りにやっている芸人もいなかったので、試行錯誤の期間が5~6年続きましたね。舞台が暗転すると子どもが怖がって泣き出してしまったり、夜の時間帯だと誰も来てくれなかったり。時間はかかりましたけど、ビビる大木さんやさかなクンをはじめ、ネタを褒めてもらう機会が多かったので途中で諦めずに続けることができました。

ADVERTISEMENT

 

レギュラー、露出が多ければ「幸せ」?

――小島さんは、東京メトロによる混雑時間帯前後の時差出勤・通学をPRする広告に「ピークを知る男」として登場していて、粋な人選だなあと。

小島 動画でも「揉みくちゃにされて、毎日大変でした」「あの時もあの時で幸せだったと思うんですけど、今のほうが幸せかなあ…」と答えているのですが、昔と今とでは「幸せ」の基準が変わったように思います。昔は、テレビの露出量、レギュラー番組の本数など、仕事量が多ければ幸せだと思っていましたが、今は仕事だけじゃなくて「休みの日も大切にしたい」と考えるようになりました。時には長めの休みをとって奥さんと旅行をしたり。まあ、そう考えるようになったのは結婚してからですね。

「ピークを知る男」の反響も大きくて、ダンディ(坂野)さんとは、撮影は別々の時間帯だったんですけど、「若くてハンサムね。」とツイートしてくれていました(笑)。LINEでも「あれ良かったよ」と感想を送ってくれて、僕の仕事をよく見てくれているんですよね。本当にダンディな先輩です。

 

 ただ、ひとつ不思議なことがあって……。ダンディさんは歌がお好きなので、これからYouTubeチャンネルを開設する予定で、この自粛期間中に打ち込みを教わって自作の曲をつくったそうなんですよね。その歌が、なぜか僕のことをテーマにした「そんなの関係ねぇ!」というフレーズが出てくる歌らしいです。