コロナ禍で、これまでの実績を存分に発揮していたのがピン芸人の小島よしおさん。自身のYouTubeチャンネル「小島よしおのおっぱっぴーチャンネル」で小学生向けの授業動画「おっぱっぴー小学校」を公開して、わかりやすい解説と、イラストあり、ダンスありのコンテンツが大きな話題を呼んでいる。早稲田大学教育学部卒の経歴を地道に生かす、小島さんの仕事術を聞いた。(全2回の1回目/#2へ続く)
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きっかけは「無観客ライブ」の失敗
――小学生向けの授業動画をYouTubeでやってみようと思ったきっかけを教えてください。
小島 実は、知り合いの放送作家さんから「休校中に子どもたちの学力が落ちてしまうのを防ぎたい。授業動画を作ってみない?」という相談を受けたのがはじまりです。彼は僕が2011年くらいから子ども向けのイベントやライブをやっているのを知っていたので、声をかけてくれたようです。ぶっちゃけ、2015年からYouTubeチャンネル自体は開設していて、動画もいくつかアップしていたんですよ。
――実は5年前から。
小島 そうなんです。動画にも力を入れていたつもりなんですけど、いかんせん誰も見てくれなくて(笑)。つい最近までチャンネル登録者数は8000人前後で、再生回数が1けたの動画もありました。
外出自粛の影響でイベントや営業の仕事は全部キャンセルになって、無観客のライブ配信にもトライしたんですけど、全然だめ。どうしたもんかな……と次の手を考えていたときに授業動画の相談をもらったので、「時間もあるしやってみようかな」と軽い気持ちでスタートしました。もし無観客ライブが成功していたら「おっぱっぴー小学校」は開校しなかったかもしれないです(笑)。
チャンネル登録者数は10倍の8万人に
――今では、チャンネル登録者数も8万人を超えてますよね。
小島 以前のほぼ10倍ですよ! 今まで動画をあげてもコメントすらつかなかったから、すごくうれしいです(笑)。
――ちなみに、YouTubeの動画はどんな流れで作っているんですか?
小島 「おっぱっぴー小学校」は、ひとつのチームで作っています。メンバーは4人で、放送作家さん2人と、監修に入ってもらっている進学個別桜学舎の担当者の人と僕です。まず作家さんが作ってくれた台本をもとに、僕がひとりで動画を撮影します。
撮影したものは、その都度チームの人たちに見てもらって「ここの表現が伝わりにくい」「この部分は変えたほうがいい」と、色々な指摘を反映しながら、自分でも言い回しを調整して修正します。1本動画ができたら、知り合いのディレクターさんにサムネイルを作ってもらって動画をYouTubeにアップするという流れです。