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「そんなの関係ねぇ!」の呪いが解けた時

小島 それを聞いた直後は、すんなり受け入れられない気持ちもあったんですよ。「そんなの関係ねぇ!」を一時期ちょっとやめているというか、特にブレイク直後の2008年から2009年頃は迷っていて、「そんなの関係ねぇ!」を超える新しいネタをつくろうと考えている期間があったんです。でもうまくいかなかった。子ども向けのライブをやり始めた頃と同じ時期に、踏ん切りがつきましたね。持っているものをしっかり大事にするやり方もあるのかなと思って、今でも裸芸はライブを中心に続けています。

著書『キッズのココロわしづかみ術』を手に

――ある意味、呪いが解けたといいますか。

小島 はい。考え方を変えたら気が楽になったし、生きやすくなりました。何より、当時も今も子ども向けに活動している芸人さんはあまりいないので、競争しないでいられるこの状況が性に合ってるなあと思います。そもそも僕は競争力が弱い人間なんですよ……。だから芸能界の雑草として生きていこうと。

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――雑草ですか?

小島 以前、『雑草はなぜそこに生えているのか』(ちくまプリマー新書)という本を読んでいたら、雑草はどこでも生える強い植物だと思われがちだけど、じつは弱くて競争力がないからほかの植物が生えない場所を選んでいる、ということが書かれていたんです。この本に巡り合ったときに「これ自分のことだ!」と、衝撃を受けました。もし今後、子ども向けにネタをする芸人さんが増えたら、また新天地を探すかもしれません(笑)。

50までは裸で頑張りたい

――2020年の今年、小島さんは不惑の40歳を迎えます。今後の展望について教えてください。

小島 早いもので、もう40なんですよね。直近では、「おっぱっぴー小学校」のコンテンツを増やしたいですね。最近あたらしく、「ピーヤの休日【ピーヤTV】」というチャンネルも作ったところで、鬼ごっこやかくれんぼの新ルールを提案する“遊び”に特化した動画を展開していく予定です。今後イベントができる状況になっていったら、全国を回って課外授業がしたい! あと最低50になるくらいまでは、裸で頑張りたいなっていう気持ちがあります。逆に言うと、50が限界かなとも思います。今はまだ、イチローと同じ感覚ですね(笑)。

 

取材・構成=清談社
写真=山元茂樹/文藝春秋

こじま・よしお/タレント、お笑い芸人。1980年生まれ、沖縄県出身。2007年、「そんなの関係ねえ!」がブレイク。同年の「流行語大賞」にノミネートされる。早稲田大学卒の経歴を生かし、クイズ番組やバラエティだけでなく、子ども向けライブ、YouTube(「小島よしおのおっぱっぴーチャンネル」、「ピーヤの休日【ピーヤTV】」)からも発信を続けている。