東京・大田区のマンションで3歳の長女・稀華(のあ)ちゃんを放置し死亡させたとして、母親である元居酒屋店店員・梯沙希(かけはしさき・24)容疑者が保護責任者遺棄致死の疑いで逮捕された事件。梯容疑者自身も幼少期に両親から虐待を受けていたことが、「文春オンライン」の取材でわかった。
「室内はごみ屋敷のようだった」
梯容疑者は2016年に稀華ちゃんを出産後、当時交際していた自動車関係で働く男性と入籍するもすぐに離婚。それ以降は居酒屋で働きながらシングルマザーとして稀華ちゃんを育てていたが、梯に子供がいることはごく限られた人間しか知らなかったようだ。稀華ちゃんが亡くなったとき、梯容疑者は知人男性と会うために6月5日から13日にかけ、鹿児島に滞在していたという。
「身体的虐待があったかはいまだ不明だが、放置は常態化していた。梯容疑者は事件以前にも稀華ちゃんを置き去りにして家を留守にすることが多く、事件発覚時には、居間のドアをソファで塞ぎ開けられないようにして外出している」(捜査関係者)
梯が稀華ちゃんと暮らしていた1DKのマンションはJR蒲田駅から徒歩数分の距離にある。川沿いに建つマンションの周囲にはラブホテルが立ち並び、稀華ちゃんと一緒に暮らしていたマンションのガラスはひび割れ、ベランダには無造作にベビーカーやごみが散らばっていた。捜査関係者は「室内はごみ屋敷のようだった」と語っている。
稀華ちゃんが最後に暮らしていたマンションの風景とリンクするかのように、宮崎県生まれの梯自身、幼少時代は決して恵まれた環境ではなかったようだ。梯の中学時代同級生が振り返る。