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お上の言うことをよく聞く国民性、『翔んで埼玉』ばりの排外主義……コロナ禍があらわにしてしまったもの

日本社会のコロナ・ディスクロージャー ジェーン・スー×中野信子×磯田道史

磯田 日本の政治家、特に自治体の首長は、常に、承認欲求、競争心、嫉妬深さを抑えないといけません。感染の最中に、知事が泥仕合になってはいけない。住民は納税者・主権者ですから行政の処置を大いに論じたらいいと思います。でも、首長どうしは、日本で住民安全への行政の共同責任を負っています。彼の非は我の非でもあると考え、協働すべきです。

磯田道史「専門家会議の記録はこれからでも作れるんですよ」

中野 休校措置の際に「日本の政治家は専門家の意見を聞かない」という印象を広く持たれてしまい、他者に耳を傾けない人たちなのかと多くの人が受け止めてしまった感もありますね。これは磯田さんに一度お伺いしたかったんですが、今回のコロナで政府が専門家会議の議事録を作っていないことが発覚しました。本来あるべき資料が存在しないというのは、後年の歴史家にとって大問題なのではないでしょうか。

©文藝春秋

磯田 そうは言っても本当はあるんですよ。

中野 えっ、そうなんだ!

磯田 どこかに、それなりのメモはきっとあります。また、関係者が生きている限り回想録が作れます。「あれだけ私が言ったのに政府は……」と内幕を明かす人が出てくることもある。政治家が「議事録さえなければ国会で追及されずに済む」なんて考えるのは甘い。議事録がなくて、かえって関係者の証言で政治家・官僚が実際より悪者になったりすることだってあるわけで、議事録は政治家や官僚を守るものでもあります。後ろ暗いことをしていれば別ですが。

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ジェーン・スー/1973年東京都生まれ。作詞家・ラジオパーソナリティ・コラムニスト。『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』(幻冬舎文庫)で講談社エッセイ賞受賞。TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」が放送中。近刊に『これでもいいのだ』(中央公論新社)など。好評連載「彼女がそこにいる理由」は今号は休載。

なかののぶこ/1975年東京都生まれ。脳科学者。東日本国際大学特任教授。京都芸術大学客員教授。東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。医学博士。2008~10年フランス国立研究所ニューロスピンに勤務。著書に『サイコパス』(文春新書)、『空気を読む脳』(講談社+α新書)など。

いそだみちふみ/1970年岡山県生まれ。歴史家。国際日本文化研究センター准教授。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。『武士の家計簿』(新潮新書)で新潮ドキュメント賞、『天災から日本史を読みなおす』(中公新書)で日本エッセイスト・クラブ賞受賞。テレビ出演も多数。

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