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日記に書き残されていた「母」への思い

 ソン氏は2017年の再会を引き合いに出して「(カネのために)自分が突然現れたわけではない。ハラのほうから私に会いに来た」と語り、母娘間の愛情を強調した。こうした主張に対して紹介されたのが、ソン氏の浮気をなじるク・ハラの日記だ。ク・ハラはまた日記で父親を「お父さん」と書く代わりに母親は名前で呼び、両者への距離感の違いを際立たせていた。

 公開された日記にはまた、愛情への飢えを窺わせるこんな一節が含まれている。「私という存在が面倒臭いのか。私は誰? 私は何をしなくてはいけない? 私は誰なんだろう。私は愛されてもいいのだろうか。愛さなくてはいけないのだろうか」。

 一方でク・ハラは、次のような一文も残した。「私はお母さんに会いたい。恋しいし、お母さんを感じたい。ずっと喉の奥に飲み込んで吐き出さず、そのまま閉ざしていた。誰よりも切実に感じたい」。

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番組で公開されたク・ハラの日記の一部(JTBC「イ・ギュヨンのスポットライト」7月23日放送分より)

 又石大学・心理相談担当学科のキム・テギョン教授はJTBCの番組で、ここで「お母さん」と呼ばれているのはソン氏個人のことでなく、「我々が一般に抱く休息所のような母親のイメージがより強いのではないか」との見方を示している。

ソウル市内に設けられたク・ハラの祭壇 ©️AFLO

 ク・ハラが求めてやまなかったこの「母親」への思いが、ソン氏に届く日は来るのだろうか。