以前、文春オンラインで「ナゾの終着駅」として西武池袋線の小手指駅を訪れたことがある。池袋線の多くの列車が「小手指行」を名乗っているものの、そもそも読み方が難しいしどんなところなのか降りたことがある人は少ないのでは……というわけで訪れたのだ。実際に小手指駅がどんなところなのかはその記事を見ていただくとして、そもそも小手指駅よりももっと“ナゾ多き”駅があるではないか、と気がついた。所沢駅である。

池袋線と新宿線が交差するターミナル、所沢駅には何があるのか?

 所沢駅はご存知の通り池袋線と新宿線が交差するターミナルだ。西武線ユーザーなら誰でも所沢という駅の存在は知っている。それどころか、埼玉西武ライオンズの本拠地がある地として、所沢(市)の名は全国に轟く。しかし、それだけ有名なのに所沢駅で降りた人はどれだけいるのだろうか。西武ドーム(メットライフドーム)に向かうときに乗り換えで使った、くらいの人も少なくなかろう。そして、何よりナゾなのは、東京から少しだけ埼玉県にはみ出た所沢が池袋線と新宿線が交差する立派なターミナル駅になったワケ。果たして、ナゾのターミナル駅・所沢には一体何があるのだろうか……。

池袋駅から所沢駅までは20分少々。西武新宿駅から所沢駅は40分ほど
所沢駅の駅ビル

「西武鉄道さん、所沢駅ってどんなところですか?」

 というわけで、池袋線に揺られて20分少々。所沢駅にやってきた。中央の島式ホームを池袋線の上りと新宿線の上り列車が利用し、それを挟んで池袋線下りと新宿線下りのホーム。その上にコンコースが広がっている橋上駅舎だ。改札内にもいくつかの店舗があり、改札を出て通路を東口に向かって少し歩けば西武の商業施設「グランエミオ所沢」。平日の昼下がりにも関わらず、多くの人が行き交う実に賑やかな駅である。

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コンコース。改札内にもいくつかお店がある

 で、この所沢駅の東口を出ると、ロータリーの一角に鎮座しているのが西武鉄道の本社だ。せっかくなので所沢駅がどんなところなのか、西武鉄道の人に聞いてみよう……。

 対応してくれたのが、所沢駅管区長の笠間秀行さんと広報部課長の内田智則さん。ナゾの駅扱いして申し訳ないですが、所沢ってどんなところなんですか?