「不況こそチャンス。今後はアパレル事業にも力を入れていきたい」
ニトリホールディングスが6月25日に発表した3~5月期の決算では前年同期比3.9%増となる売上高1737億8000万円。緊急事態宣言下の「外出自粛」期間中も、収納やオフィス家具などが好調で増収増益を実現。2021年2月期も34期連続となる増収増益を計画している。
多くの企業が新型コロナウイルス感染拡大の余波を受けるなか、なぜニトリは「ひとり勝ち」できるのか。「文藝春秋」8月号の対談連載「有働由美子のマイフェアパーソン」で有働由美子さんが創業者の似鳥昭雄会長に迫った。
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「家内の一言で、ハッと気づきました」
似鳥 この数カ月、家にいたからこそ、できた発見もありますね。
有働 例えばどんなことですか。
似鳥 家内に「シーツを取り換えるのがとにかく大変だから、もっと伸びるシーツはないの?」と言われて、「あっ!」と。実は既にあったんですよ。でも、そこをPRしていなかった。調べてみたら、そのシーツは取り扱いのない店舗もあるし、置かれている店舗でも、目立たないところに陳列されていました。今は全ての店舗で目立つところに置くように改善したので、売上はグンと伸びるはずです。
ニトリでは約1万4000ある商品の半数を、新規開発などしてどんどん入れ替えています。でも、商品を作って終わりで、売り方を考えていなかった。家内の一言で、ハッと気づきました。
有働 自粛生活の中で、それまで気づかなかった商品のウリが見えてきたのですね。