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対立、差別、任務放棄…「東京裁判」個性派判事11人は「控室」でなにを揉めていたのか?

チーフ・プロデューサーが明かすNHKドラマ制作秘話

2020/08/08
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戦後75年の節目の夜に見てほしい

 この番組が完成を見ることができたのは、歴史考証をお願いした先生方や、非常に高い評価を得た日本語吹き替え版を制作したスタッフや声優さんたち、そして局内外でさまざまな形で力を尽くしていただいた方々の無限の努力のおかげだ。

 五輪の夏となるはずだった今年は、戦後75年の節目の夏でもある。戦争を考えるシーズンの連休(いずれも休前日)の深夜ということで、生で見ていただいても、あるいはお盆休みの期間にインターネット配信の「NHKプラス」(同時及び見逃し=放送後1週間)、そして「NHKオンデマンド」では常時見られるので、都合の良い時間帯にご視聴いただくこともできる。よい時間を過ごしていただけることを心から願ってやまない。

判事控室の会議(「NHKスペシャル ドラマ東京裁判」より)

 最後の最後にもう一つだけ言わせてほしい。特に自信があるのは第四話(最終話)のクライマックスにあたる、判事11人全員が一堂に会し、被告たちの運命を決める「判決決定会議」の15分だ。「圧巻」のシーンという声を数多くいただいた。セリフのすべてに多様で深い意義を込めることができた。それまでのストーリーが一気に結実するその醍醐味を味わっていただければ、作り手として最上の喜びであり、視聴される皆さんにとっても、他では得ることのできない体験になると確信している。

対立、差別、任務放棄…「東京裁判」個性派判事11人は「控室」でなにを揉めていたのか?

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