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「『セシル』の時代が終わったということはもうずっと前から感じていた」

 ファッションアイコンの不在は、業界にとって大きな意味を持つようだ。そんななか、鈴木氏は渋谷で懐かしい光景を目にしたという。

「数年前に、浜崎さんの“しっぽ”をつけた女の子を渋谷で見かけたんです。また流行るのか注目してたんですけど、最近見なくなっちゃいました。ただ、今見ても浜崎さんのファッションはインパクトがあってオシャレ。ドラマ『M』の話題性や、近年の90年代ファッションブームの流れもあるので、世代はどうあれブーム再来の匂いがあるかも……」

『A song for xx』

 中田麻美さん(仮名・30歳)はセシルをはじめ「LOVE BOAT」や「COCOLULU」など、さまざまなギャル向けブランドが誕生し、各々にお気に入りのブランドがあった、と振り返る。人気ブランドがテナントで勢揃いしていた当時の渋谷109の熱気は、凄まじかったという。

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「当時のマルキューは、まさに憧れの地でしたね。いつ行っても人がたくさんいて、一度入ったら出られないほどでした。でも、先日久々にマルキューに行ってみたんですけど、コロナの影響もあってか人もまばら。何より、売ってる服の布面積が広いのはびっくりしました! 私たちの時代のギャルは露出が命だったので(笑)」

©清談社

 セシルを展開するジャパンイマジネーションの木村達央会長兼社長は「WWD」のインタビューでこう答えている。

「きっかけがコロナであることは間違いない。ただ、『セシル』の時代が終わったということはもうずっと前から感じていた。ブランドには、旬な時代というものが僕はあると思う」

 浜崎あゆみらが牽引していた90年代の渋谷ギャルファッション。再ブームは訪れるだろうか。