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当たり前だが、商業劇映画はアート作品であると同時にビジネスでもある。日本でも、DVD化もされている2006年の単発ドラマ『私が私であるために』では、トランス女性の相沢咲姫楽がひかる役で主演、トランス女性シンガー中村中とトランス女性タレントのたけうち亜美も出演している。ひかるの両親を演じるのは、ベテラン俳優の橋爪功と竹下景子だ。
今後、より大規模な映画がトランスを主人公として作られるためには、相手役や脇役に、レジェスのような国民的俳優を起用する必要があるかもしれない。
失言をしても大丈夫。それが学びのきっかけになる
ちなみに、私が最初に出会ったトランス女性は、麻姑仙女だ。彼女は、ミニコミ『LABRYS』に参加していた萩原まみが編集長をつとめた「レズビアンとバイセクシュアルのための雑誌」『アニース』(1996-7、2001-2003、テラ出版)に「MTFレズビアン」として寄稿していたので、中年以上のレズビアンには覚えている方もいらっしゃるかもしれない。
私が彼女に出会ったのは、たしか1994年ごろ。自分以外の同性愛者に出会うことには慣れてきていたが、突然「MTFでレズビアン」と言われ「ほへ?」となり、つい、「それって……体はどうなってるの?」と言ってしまい、「そんな質問は失礼」と怒られた。そして、いろんな話をした。
彼女とは、遠距離だから会うのはたまーに、ではあるけれど、今も友達です。そう、一度や二度、失言をしても大丈夫。それをきっかけに話をすればいい。そして、学べばいい。映像も、文献も、たくさんあるのだから。
ハル・ベリーとともに、みなさんも、是非。