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ないがしろにされる下水道労働者
痛々しい少年の姿は、すぐに大きな反響を呼んだ。サニーのツイッターはたちまち3万件以上リツイートされ、少年と家族を支えるための募金が呼びかけられると、1日で300万ルピー(480万円)以上の募金が集まった。ボリウッド俳優といったセレブたちからも寄付の申し出があったが、男性と同じような貧しい人たちからも10ルピー(16円)ほどの寄付をする動きもあったという。
地元警察の調べでは、男性が転落したのは命綱の強度が不十分なことが原因だった。さらに、ヘルメットや防護服などを身につけていなかったことも判明している。最大野党である国民会議派党首のラルフ・ガンディーは、ツイッターで「スワッチ・バーラトは、トイレや下水管を掘り返すことを余儀なくされている労働者たちの窮状に目をつぶる、空虚なスローガンだ」と記し、モディがトイレ設置を進める一方で、こうした下水道労働者たちの環境改善がないがしろにされていると批判した。