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『オールスター感謝祭』はYouTubeではできない

 次に、制作手順の違いについて。

 テレビの場合は、まず予算と枠を軸に考えます。テレビ局が枠に対して企画を募集して、編成が選んだ企画を作るのがスタンダードです。たまに「この人でやってください」と、出演者ありきで考えるケースもありますが、基本的には予算と枠が先です。

 YouTubeは、基本的に予算ゼロからのスタート。持ち出しで始めて、現在のルールだと、千人の登録者と4000時間の再生時間を突破しなければ収益化できません。確実なマネタイズが見えているものではないのです。

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 スタッフの数にも圧倒的な差があります。

 テレビは深夜番組でも、作家、ディレクター、プロデューサー、AD、照明、音声など50人以上で構成されることも。

 YouTubeだったら、僕は演者もスタッフも最小人数で撮るのがよいと思っています。動画を編集するスタッフは別にいてもいいのですが、コアメンバーの仲が良い感じ、プライベートな感じが伝わると、そのチャンネルにファンが集まってくると考えています。YouTubeにおいては、“密”が大事。

視聴媒体の差が画面作りにあらわれる

 画面の大きさにも違いがあります。

 基本的にテレビの画面は大きいので、『アメトーーク!』のように出演者が多い番組でも、それぞれの顔がちゃんとわかる。豪華なセットを建てて、大勢の人が集まって、複数台のカメラを切り替えて見せていくということができます。

©iStock.com

 YouTubeはスマホ視聴が圧倒的に多いので、小さい画面で見られることがほとんどです。僕が撮る場合には画面内が3人以下になるよう心がけています。画面が小さいと表情の判別がつきにくいので、規模の大きなことはやりづらいんですよね。

『アメトーーク!』や、『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』の「笑ってはいけない」シリーズなどは、出演者の表情が大事なので、テレビで見たほうが面白いと思います。

 一方で、『相席食堂』や『マツコの知らない世界』は、出演者が少なく、面白いことを言う人が決まっているので、スマホでも見やすい。

 後述しますが、テレビ番組の無料配信サービス「TVer(ティーバー)」でこれらの番組が人気なのも、そこに理由があるのかもしれません。