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なぜ多重チェックをしてもテレビ番組はネットで“炎上”してしまうのか

『YouTube放送作家 お笑い第7世代の仕掛け術』より #2

2020/08/27

SNSを使いこなして感性をアップデートする

 差別問題やスキャンダルなど、SNSを使っていなければ届いてこない領域の問題はたくさんあります。もしSNSをやらずにNetflixとゲームだけの生活を続けていたら、「#Metoo」や「#Kutoo」という運動の存在すら知らなかったかもしれません。テレビにおいて「出演者の名前の隣に年齢を書くのは失礼だ」という声も、まったく知らずに生活していたと思います。

 一方でSNSには、自分がフォローした、いわば偏った側の意見しか目にしにくい側面もあります。自分が好む論調や、波長が合う意見ばかりがタイムラインに現れてくる。だから、それらを鵜呑みにするのではなく、反対側の意見にも触れて自分で考えて、感性を磨いてアップデートしていく必要があります。

 いま自分が関わっている番組で「これはよくない表現なんじゃないか?」「傷つく人がいるんじゃないか?」と思うようなことに気がつけたときは、きちんと発言して、止められる時は止めるようにしています。

「差別意識」を根本から変えていく

 でも、偉い人が「これで行く」と決めたら、正直、そのまま進んでしまうことも。結局は最終決定権をもつ偉い人の価値観で決まるので、その人がアップデートされていなければそのまま流れて、時には炎上してしまう。

©iStock.com

 僕も、過去には容姿をいじって笑いをとってみたり、パワハラ的な構図の企画を実行したことがあります。ルックスの美しさに基づくランキングや、「〇〇女子」という企画も考えました。でも、やってはいけないことでした。

「ずっとそうだったから」「深夜の番組だから」「劇場ライブだから」ということではありません。「炎上するから控える」のではなく、根本から自分の意識を変えていかないといけないのだと痛感しています。

 もちろん差別やハラスメントは社会に生活するすべての人々に関わることですが、特にクリエイターにとっては、多様性を認めて様々な人に気配りができるか、旧来の価値観から更新した状態で仕事ができるかどうかが、今後のキャリアを決めると思っています。

 これはNG、これはOKと、誰かが明確にルールを制定しなければ理解できない、受け身ではダメなんです。

YouTube放送作家 お笑い第7世代の仕掛け術

白武 ときお

扶桑社

2020年7月31日 発売

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