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ネットスキルは今後のテレビマンに必要な資質

『ワンピース』や『新世紀エヴァンゲリオン』など、謎や伏線が散りばめられた作品は、ネットで議論の的になり、好きな人はとことんのめり込みます。SNSやスピンオフ動画をうまく連動させて、視聴者の熱を高めていくコンテンツの作り方は、これからも増えていくはずです。

 バラエティでも『有吉の壁』がネタごとに動画を切り分けて、短尺で面白い動画を量産しています。日本テレビは、そういったネットを巻き込んだ番組作りに成功しているといえますね。

©iStock.com

 他の局に目を移すと、『家事ヤロウ!!!』というバラエティ番組は、番組内で紹介したレシピなどを投稿するインスタグラムの公式アカウントで人気を集めています。2020年7月現在でフォロワー数が94万人。テレビ番組の公式アカウントは多々ありますが、この数値は凄まじいものです。

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 もちろん予告編など、従来の公式アカウントらしい投稿もありますが、ほとんどがインスタに最適化されたレシピ紹介や、番組と連動したインスタライブの配信など。番組への視聴者の誘導をSNSから作ったり、SNSでより番組のファンにさせていったりする能力が圧倒的に高いと思い知らされます。

 こういったネットの使い方は、今後のテレビマンに求められる、新たな資質のひとつになっていくことでしょう。

なぜテレビは炎上してしまうのか

 テレビ番組での芸能人の発言やVTRの演出がネットで拡散され、“炎上”することが少なくありません。すべてが生放送というわけでもないのに、なぜテレビは炎上してしまうのでしょうか。

 先ほども書いたように、テレビの制作現場にはチェック工程がたくさんあります。ディレクターが作ってきた映像を演出がチェックして、それをさらにプロデューサーがチェック。危なそうであれば、さらに局の法務部などの考査にも確認をするという多重チェックを通しています。

 それにもかかわらず時代錯誤な炎上発言があとを絶たないのは、ひとえに、チェックする側の価値観が更新されていないから。もちろん、それは僕も含めて危険なところがあると思っています。

 日々更新されていく世の中の新常識や、価値観の変化をつかむためには、SNSやネットニュースが不可欠。僕の場合はTwitterとYahoo!ニュースが生命線です。最近は、殺伐としたネットリンチのようなものが多く、見ていてつらくなることも多々ありますが、なるべくチェックするようにしています。

 ちなみに、「100日後に死ぬワニ」も1日目からチェックしていましたが、もしTwitterをやってなかったら99日目の死ぬ間際にニュースで知って、一気見していたことでしょう。