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コロナで放送危機……総合演出が明かす、クイズ番組『99人の壁』が“リモート化”を実現するまで

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genre : エンタメ, メディア, テレビ・ラジオ, 社会, 芸能

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それで、さっそくプロトタイプを作って頂き、最初は「押す」という文字をタップするだけのものですが、タイムラグをいかに減らすかを検証し、これであれば不平等が無いというものになりました。

早押しボタンも完成し、番組として勝負できる、となったのです。

早押しボタン

――6/6に「99人リモート参戦SP」としてオンエアとなりましたが、そこまでの経緯は大変でしたか?

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新型コロナウイルスが拡がり始めた時に「この番組が一番出来ないかもしれない」と言われました。その時は次のオンエアまでまだ時間もあり、対策を考え始めました。湾岸スタジオの屋上で、野外で換気された状態での実施など。実は最初は「リモート」という発想が無かったのです。

ちょうどそんな対策会議をやっている最中に、制作統括の濱野さんからLINEが届きました。ビデオ会議ツールというものがあり、他の番組ではそれを使って会議をしている。99人の壁でも使えるのでは?と。

その時まで私は「ビデオ会議ツール」の存在を知りませんでした。それで、自宅にいるスタッフにも声をかけて10人程度で試してみました。すると本当にタイムラグが無く、ストレスなく会話ができて「もしかしたら本当にできるかも」となり、制作のシミュレーションに取り掛かります。

そして、大型モニターを4枚設置し、スタジオにはMCの佐藤二朗さんとチャレンジャーだけ。他は全員自宅から99人がリモート参加でクイズをやるという企画書をまとめたのです。

ただ、4月のタイミングでは収録は見送りになりました。まだ若干、事故るのでは?という皆の不安を払拭しきれず。その後、実際にシステムを組んでリハーサルを実施し、テスト映像を見てもらったりして、6月オンエアに向けてGOとなりました。

――実際に収録をされて、演出面ではどのような事を感じましたか?

佐藤二朗(「99人の壁」番組MC)

MCの佐藤二朗さんは若干の不安があったと思います。自分の話が果たしてウケているのか?リアクションが分からないので。