一方で良かった点と言えば、二朗さんの他の番組には無い司会者ぶり、グタグタになっていくといいますか、そこに拍車がかかる場面もありました。リモート参加者から返事が無いと、二朗さんも黙ってしまって、謎の数秒間が流れたりですとか。
――リアル収録だと存在していたものが、リモートだと抜け落ちてしまう、そのような事を何か感じましたか?
対面だから出てくる実体のない空気感というものは、リモートにはまだ存在していないのかなと、スタジオに入ると毎回思います。
正解すれば100万円という、ここ一番の問題の時に、99人がスタジオでじっと見つめている空気感と、自宅からモニターを介して見ているのとでは、全然違うなって。
また、チャレンジャーがすごい解答をして拍手喝采が起きた時の、スタジオでのうねるような歓声は、リモートですと現段階の技術では再現できなくて、そのような部分は生であるべきだなと感じました。
――これまで生み出していた価値を再発見できたのかもしれないですね。続いて、働き方といった観点でもお伺いしたいのですが、番組の制作過程における変化はありましたか?
編集がフルリモートになりました。編集所と24時間ZOOMがつながっていて、エディターさんが作業している映像が配信されるのです。箱(編集所)に行かなくても、ZOOMにアクセスすれば、今どの箇所を作業しているかが分かり、テロップの修正を依頼できたりします。これは画期的だなと思いました。
――ナレーションの収録はどうされるのですか?
ナレーターさんも自宅から収録します。編集所から事前にマイクなどの機材が郵送されていて、それらを使って。MAで編集所に集まるというのは、もう3か月やっていません。
――すごい変化ですね。歴史が動いたという感じがします。
ジャパンメディアクリエイトというスタジオなのですが、代表の方が以前から編集のプロセスに疑問を持たれていた事もあります。コロナショックの前から準備していた事が、このタイミングで一気に進んだようです。