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いまネトウヨ界で囁かれる「安倍傀儡政権」説

 安倍首相の辞意が表明されてから、もちろんネトウヨ界も騒然としました。現在、ネトウヨの間でもポスト安倍について話されるわけですが、実はいま、彼らの間で「次期首相は誰でも良い」という説が有力になっています。ただしそれには条件があり、「安倍さんが院政を敷く」ことが前提です。

 つまりは「安倍傀儡政権」ということです。過去に田中角栄がロッキード事件発覚で自民党を離党しました。その際、自民党籍を持たない無所属衆議院議員だったにもかかわらず田中派を通じて裏舞台から政界に影響力を維持し続けたことをマスコミが「闇将軍」と呼びました。それと同じことを病院に通院、あるいは寛解にむかいつつ、安倍首相にやってほしいというのが今のネトウヨ界隈の考えなのです。

「首相は誰でも良い」とはいえ、傀儡になってくれやすい人という観点でポスト安倍を見るわけですが、そうすると一番手がネトウヨ界のヒーロー・河野さん、二番手が安倍首相を長年支えた菅さん、三番手には、進歩路線ではあるけれど一応閣僚なので可能性がありそうな岸田さん、という序列になるでしょう。

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古谷経衡氏 ©️文藝春秋

 僕の予想だと、次の首相が誰になろうと少しタカ派的な発言をした暁にはネトウヨたちは「それは安倍さんのレガシーなんだ」とか、「安倍さんと相談して決めた方針に違いない」など高らかに主張するでしょう。爾来数年は、だれが宰相になって何をしても、すべて「安倍のレガシー」とされ、安倍総理を讃える風潮が続くでしょう。ネトウヨのなかでは安倍政権はまだ終わっていないのです。