昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

女性人気が支える和牛&華大、子育て世代に嫌われる雨上がり《芸人ランキング2019を徹底分析》

男女、地域、世代別データから「不倫の影響」調査まで

source : 週刊文春デジタル

genre : エンタメ, 芸能

「週刊文春デジタル」では、2019年に行われた前回「芸人ランキング」の投票データを解析して、「なぜこの芸人が愛され、あの芸人が嫌われるのか」を徹底的に調査。テレビでは分からない芸人たちの「リアルな好感度」に迫った。

 最新の「好きな芸人ランキング2020」の発表に合わせて、「文春オンライン」で公開する。(初出:2019年9月21日)

◆◆◆

 今年で3年目となった「好きな芸人」「嫌いな芸人」ランキング。「好きな芸人」ランキングでは、サンドウィッチマンが2連覇を達成、和牛の大躍進が目立つ結果となった。一方、「嫌いな芸人」では、「闇営業」問題の影響で宮迫博之への批判が相次ぎ、雨上がり決死隊が1位となった(「好きな芸人」「嫌いな芸人」ベスト・ワースト50は、文春オンラインの記事参照)。

 本記事では、今回のランキングデータをさらに分析して、「あの芸人たちはなぜ愛されるのか」「なぜあの芸人は嫌われるのか」を徹底調査。テレビを観るだけでは分からない、芸人たちの「リアルな好感度」に迫っていきたい。

「好きな芸人」TOP3はなぜ強いのか?

 

 過去3回にわたるランキングのTOP10入りメンバーの変遷を見ると、今年のTOP3、サンドウィッチマン、明石家さんま、ダウンタウンの強さが際立つ。どんなファン層が彼らを支持しているのか――まずはこの3人の強さとともに、データで見えてきた死角を分析してみよう。

サンドウィッチマン ©共同通信社

 この2年、圧倒的な強さを見せたサンドウィッチマン。その支持の基盤はどこにあるのか。

 世代別でみると、10~20代から60代までの首位を独占。男女比もほぼ1:1とまさに理想的なバランスだった。

 今年8位に入っているナイツが、小誌のランキングについて、「サンドウィッチマンは東北、博多華丸・大吉は福岡の組織票」(DVD「ナイツ独演会~味のない氷だった~」)と評しているが、地域別の得票をみると、確かに東北地方の票の3分の1をサンドウィッチマンが獲得するという異常な人気だった。

 では他の地域では人気がないかと言えば、そんなことはなく、全国ランキングから東北票を除いても、1位に変わりなかった。幅広い層から得票を集めている彼らはラグビー部出身。9月20日に開幕したラグビーワールドカップでも、ラジオの応援番組を担当し、盛り上げ役として活躍するなど、もはや最強の“好感度モンスター”になっている。

 一方で、メディアの露出が増えるほど批判も出てくるもの。サンドウィッチマンも、今年は「嫌いな芸人」25位と初めて「ワースト50」入りした。

「以前は大好きな芸人さんだったけど、『好感度』を気にしているのか、縛られているような気がする」(男・52)

 サンドウィッチマンを「嫌いな芸人」とした投票者のうち、男性が75%超と、同性からの風当たりが徐々に強くなっているようだ。来年のランキングがいまから気になる。

コアな層を抑える明石家さんま

明石家さんま ©時事通信社

 幅広いファンに支えられるサンドウィッチマンに対し、コアなファン層をがっちり押さえているのが2位の明石家さんま。支持層の男女比は7:3と男性に偏り、世代別では70代以上でトップ、地域別では“お笑いの本場”近畿地区で1位を獲得と、ベテランとして底力を見せた。

 アンケートに寄せられたコメントからも、長年共に歩んできたコアな支持層に支えられていることがうかがえる。

「子供の頃からファンで、さんまさんの笑いは、つらい時や悲しい時、私の心を最も多く救ってくれてます」(男・39)

「さんまさん出演の番組にハズレなし! 辛い時にはさんまさんが出ているテレビ番組を見て何度も救って頂きました」(女・45)

 一方で、“苦手分野”も見えてくる。衝撃だったのは、10代からの“好き”得票が「ゼロ」だった点。10代~40代までの得票を集計してみても、明石家さんまは4位に転落してしまう。

 さらに、「モテ芸人」の先駆けだったさんまだが、女性からは厳しい声が相次いだ。

「笑いの能力がずば抜けているのはわかるが、女性いじりが不快」(女・51)

 という意見が代表的だが、女性に対する接し方に批判が集まったのだ。

 お笑い評論家のラリー遠田氏が、さんまの評価を解説する。

「さんまさんは、昔から変わらない大衆的な分かりやすい笑いをやっているので、さんまさんと同じかそれ以上の世代でも理解しやすい。年齢が上でも安心して笑えるんだと思います。一方で、昔ならセーフだったパワハラ・セクハラ発言、例えば『カトパンを抱きたい』などの一言が、いまの若い人からすると違和感があるのではないでしょうか」

ダウンタウンの弱点とは?

ダウンタウン ©時事通信社

 3位のダウンタウンは、サンドウィッチマン同様、男女バランスよく得票を集めているが、両者の勝敗を分けたのは、世代別のランキング。ダウンタウンは10・20代~50代のランキングではベスト5に食い込んでいるのだが、

60代で7位、70代で9位、80代でゼロ票と、高齢者に弱いことが判明した(ランキング表は後出)。 

 また、男性だけのランキングを取ると、ダウンタウンが「嫌いな芸人」1位になることが判明した。

「吉本の今の体質を作ってきた張本人のひとり。吉本の芸人の為というよりも自分たちの地位維持のため、ただ火消しをしようとしているように見える」(男・68)

 という発言に象徴されるように、50代、60代の男性から「闇営業」問題への対応に批判が相次いだ。

「『水曜日のダウンタウン』や、『ガキの使いやあらへんで!!』で、未だに新たな笑いを模索している姿勢は立派」(男・53)

 という声もあるが、前出のさんまに比して、高齢者から支持が集められないのは、この「新しい笑い」に対する評価をめぐり、世代によって意見が割れているのかも知れない。