1ページ目から読む
3/3ページ目

川島 自分の寝室をゲームルームにしています。奥さんにも、ここは僕の領域なので、触らんといてねと言ってあります。仕事もここでします。昼間からゲームに浸るということはありません。やるとしたら、晩ご飯を食べて、寝る準備をしてからですね。晩酌セットも置いてあるので、お酒を飲みながらゲームをすることもあります。

――この本のラスト、50本目のゲームは『デトロイトビカムヒューマン』でしたが、あれもおもしろそうでしたね。

川島 あれもメチャクチャおもろいです。もう2年くらい前のゲームなんですけど、未だに品薄状態が続いているみたいです。あれはゲームに興味ない人でも絶対、おもろいと思いますよ。感動しますよ。場面場面で、どちらを選択するかによって物語が変わっていく。それぞれ違った結末の映画を観る感じなんです。なので、感想を言い合っても、ぜんぜんかみ合わないんですけどね。こんなやつが出てきたと話しても、「誰? それ」とか。

ADVERTISEMENT

『デトロイトビカムヒューマン』

「川島さん、子どもにゲームをせがまれたら買ってあげますか?」

――川島さんの話を聞いていると、川島明という人間の何割かがゲームでつくられていることがよくわかりますね。

川島 僕にとってゲームは本と一緒だと思いますよ。本を読んでいろいろなことを学んだと言う人がいるように、僕はゲームにいろいろなことを教えてもらった。

――でも、川島さんの頃は、子どもがゲームをやっているというと、まだ眉を顰める大人の方が圧倒的に多い時代でしたよね。

川島 それはめっちゃありましたね。まずは視力が落ちると言われましたし。職人気質の親父には「馬鹿になるで」とか。あとは、授業中もゲームのキャラクターの絵を描いてたりしたので、親としては心配していたと思います。

 

――でも今はeスポーツなども登場して、ゲームを取り巻く環境もだいぶかわりました。0歳と3歳のお子さんがいらっしゃるとのことですが、子供たちにゲームを買ってとせがまれたら、買ってあげますか?

川島 ぜんぜん買ってあげますよ。上の子は2歳のときから僕がゲームをやるのを見てましたし。『ロックマン』なんですけど、ボタン押したらジャンプしたり、弾が出るのがおもしろいらしくて。まあ、今、親が悩まされるのはゲームよりYouTubeなんですかね。YouTubeを見ているときは大人しくしてるからいいけど、それでいいんかな……と。でも、今はYouTubeで授業が受けられたりする時代ですからね。ファミコンが出たときも、そっから大きくエンターテインメントが変わっていった。そのときと今は似ているのかもしれませんね。

(【前回】麒麟川島明が語る“芸人になる原点”「小1、ファミコンが家に届いた日が人生のピークかもしれない」 へ)

ぼくをつくった50のゲームたち

川島 明

文藝春秋

2020年9月16日 発売