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深刻な“西高東低現象” コロナ禍の飲食店が生き残る道とは…

2020/09/22

genre : ニュース, 社会

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危機に直面しているのは、新橋・銀座・京橋・日本橋

 一方で、夜の新宿、渋谷、池袋の街には若者が戻って来ているという。若者はコロナに感染してもそのほとんどが無症状、あるいは極めて軽症だという情報が出回るにしたがって、自粛に飽きた若者たちが、夜の街ではっちゃけるようになったのだ。感染に気づかず、人にうつしてしまうことの危険を専門家がいくら指摘しても、所詮このエリアで遊んでいるのはみんな若者。うつしたって重症化しない、だからお互い気にしないというものだ。むしろ新宿区内在住者なら、PCR検査で陽性になれば10万円貰えるから臨時収入になってラッキーなどと考える輩までいるという。新宿区内で内科医をやっている私の知人も、最近のコロナ関係の診察は『若者ばかり』と仰っていた。

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 さて、どうやら都内の繁華街は完全な西高東低状態に明暗が分かれつつあるようだ。上場会社、その中でもとりわけ伝統的な大企業の多くは丸の内や大手町、日本橋といった都の東に本拠地を置いている。接待禁止、会食禁止を掲げている限り、お行儀にうるさい大企業社員は忠実にルールに従う。

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 一方で都の西、渋谷や新宿はIT系や情報通信系の比較的新しい若い企業が多い。ベンチャーなどではそんなお行儀の良さを問うている暇はない。社員も若い社員がほとんどだから、みんなコロナは気にしない。いや最初は気にしていたけれど、今は『俺たち大丈夫』あるいは『もうコロナは飽きた』という心境だ。

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 東の大企業社員で少しやんちゃな社員でも、お膝元で遊ぶことはリスクが大きすぎてやりたくない。ならばGO TO WESTということになる。

 コロナ禍があと数ヶ月続けばどうなってしまうのだろうか。新橋、銀座、京橋、日本橋といった街の名店の灯は消え、コロナ大丈夫だもん、という若者が遊ぶだけのちょっとチャラけた店だけが生き残ることになるのかもしれない。なんだかつまらない東京になりそうだ。百合子さん、ステイホームだけ言っていないで、次の一手、考えましょうよ。

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