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若手の8割が一時無収入に!?……林家木りんが明かす「コロナ時代の落語家“懐事情”」

若手の8割が一時無収入に!?……林家木りんが明かす「コロナ時代の落語家“懐事情”」

2020/09/20
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多種多様な落語界の“副業”

 これまでは、落語界ではバイトをすることは恥ずかしいとされ、たとえ前座であってもバイトをせず修行に励むことがかっこ良いとされてきました。

(イベントや結婚式の司会は、話芸の延長ということでやっている人も多かったのですが……)

 しかしこのご時世、背に腹は代えられません。大御所の師匠方も「時代は変わったから」と後押ししていただいたこともあり、アルバイトや副業を始める前座・二ツ目もだいぶ増えました。

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 お店を間借りして喫茶店を開店、プロ並みのコーヒーを淹れる若手や、教員免許を持っているアニさんは、小学校で授業のお手伝い。学校寄席のノリで生徒たちに挨拶したらドン滑りしちゃったり……。職種も方向性も多種多様。資格や隠れた特技を活かしたりと、幅の広さは落語家ならでは!

 木久扇一門も例外ではありません。なにせ師匠木久扇の口癖が「まずは経済!」ですから。なにはともあれ、稼がないことには始まりません。

 弟弟子のけい木は今流行りのウーバーイーツでそこそこ稼いでるみたいでして、色白が売りみたいなとこもあったのに、今ではすっかり真っ黒に! あんなに働いてたのに周りからは「こんなさ中に海なんか行きやがって」と白い目で……。

 

 中華料理屋でバイトを始めた姉弟子の扇姉さん。まだ5日しかたってないのに、もう辞めたいから「一緒についてきて」って子どもじゃないんだから。理由を聞いたら「店長が怖すぎる」だって。ラーメンを売るのは慣れてるはずなんですがね(笑)。

 僕ですか? 何かしなきゃなと考えてはいるんですが、なにせ相撲部屋の一人息子に生まれまして、いまだ悠々自適の実家暮らし。

 この方アルバイトをしたこともほとんどないんです……。

こんな僕も“木りん”だけに……

 これではいけないと、こないだも一念発起してバイトの面接、引っ越し屋さんの事務所に行ってきたんですけど、面接官のおばさまがあまりにも怖いので途中で逃げ出してきました。

 とあるアニさん曰く、やめといて正解とのこと。何故かと聞いたら「引っ越し業界では木りんよりゾウさんの方が好かれる」のだそうな……。

 そもそも、よく考えたら力仕事は苦手でした。人に怒られるのも嫌だし、厳しい人がいるところも嫌だなぁ。

 こんな僕にでもできそうな仕事ありますかね?

 例えば落語の『動物園』に出てくるようなライオンの皮被って、オリの中ぶらぶらしてるだけ、朝10時~夕方5時の残業無、昼食・昼寝つきで日給1万円なんて仕事!! これだったら僕でも……クーラー付きなら考えようかな(笑)。

 また皆さんに近い距離でお会いできる日が来ることを、首を長~くしてお待ちしております!!

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