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2度の懲役中もまだ「運が悪かった」としか思っていなかったが

 現在、葬儀会社で働く山下忠生さん(50歳、仮名)は、覚せい剤で3回も逮捕されたのち、社会復帰を果たしている。

「高校を卒業して、専門学校に行きながら葬儀社でアルバイトをしていたんですけど、その頃からクスリはやってました。

 地元の先輩からもらって、自分でも買って使うようになったんですけど、ある時クルマに乗ってたら事故を起こしてしまって。意識不明のまま病院に運ばれたんですけど、所持品の中から覚せい剤が出てきてしまったんです。

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 3日間昏睡して、意識が回復したら警察が来て『逮捕状出てるから』といわれ、退院してから出頭しました。出頭する前に会社には怪我で仕事を続けられないと連絡したので、クスリのことはバレてないと思います」

 この逮捕では初犯ということもあって執行猶予が付き、ほどなく社会復帰を果たした。

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「次は葬儀関連の花屋のアルバイトをみつけて、そこで働いていました。ただ覚せい剤はやめられず、たまに使っていた。今度はクルマで信号待ちしてたらそのまま眠ってしまって……。通報されて所持も発覚。執行猶予中の再逮捕ということもあり、両方あわせて3年の実刑になりました。

 でも、この懲役中もまだ『運が悪かった』くらいにしか思ってなかったです。なので、出てからもまたすぐやりはじめて、1年経たないうちに職質くらってまた逮捕ですね。このときは2年半懲役になりました。そのまま捕まったので詳しいことはわからないのですが、仕事は解雇、親に連絡きて、親が荷物の整理に行ったみたいです」

 あわせて5年ほど刑務所のなかで過ごすこととなり、出所したときには30歳を超えていた。

「この3度目の逮捕はさすがに応えました。懲役がつらかったというよりも、3度も逮捕されると、家族も友人も全員離れてしまい、天涯孤独になってしまった。信用関係がすべてゼロになったので、これは1から作り直さないと人生が終わると思ったんです」