覚せい剤はやめてから正気になるには5年かかる
目鼻立ちのクッキリした清楚な女性、といった趣の石山理恵さん(29歳、仮名)は、20歳のときに覚せい剤取締法違反で逮捕された。
「18歳のときに警備会社の事務員として働きはじめたんですけど、その頃のつきあっていた人の影響で覚せい剤を使用するようになりました。最初は普通に過ごしてたんですけど、仕事中に急にブワーって汗をかいたりとか、そわそわするようになって支障をきたすようになって……。それで周囲の目も気になって、自分から退職せざるを得なかったという感じですね」
「体調不良」ということで、仕事を辞めた理恵さんだったが、家族に薬物使用がばれてしまい、交際男性とも別れることになった。
「それで2年くらいはクスリを断つことができて、食品工場で働いてたんですけど、その頃に出会った男性が薬物をする人で、また自分も使うようになって……。このときは職場の上司から『なにかやってるだろ』とバレてしまって、仕事に行きづらくなり、家で過ごしているときに警察の方が来て逮捕されました。おそらく上司に通報されたんだと思います」
罪状は覚醒剤取締法違反・使用。懲役2年8カ月、執行猶予4年という刑が下った。
「この時は社会復帰なんて考えられなくて、まずは薬を抜かないといけないと思いました。カウンセリングを受けたり、依存症を脱するサークルなどにも通って……身内のサポートも大きかったと思います。よく『3年シラフ、5年正気』っていうんですけど、覚せい剤はやめてから3年でようやくシラフ、正気になるには5年かかるということなんです。なので、私が社会に戻れるのはそれくらいかかるかなって思ってました」