Zeebraの不倫スキャンダルの影響も
一方、手放しでNiziUを評価する株式市場とは違い、韓国の音楽シーンでは、その評価が分かれている。
もっとも目立つのは、メンバー全員が日本人であることを取り上げ、昨年夏から悪化している日韓関係とからめた議論だ。
日刊紙「MONEY TODAY」は、NiziUのメンバーが選ばれて間もない6月30日付で、次のように報じた。
〈NiziUの正式デビューが迫り、オンラインコミュニティでは国籍論争が繰り広げられている。NiziUは果たしてK-popか、J-popか、という論争だ。(中略)反応の中には、NiziUをJ-popと規定し、反感を示す意見もあった。韓国の企画会社が全員日本人でガールズグループを作ったことが問題だという指摘だ。音楽サイトが、NiziUをJ-popに分類した点を挙げて、不買運動の主張も出ている〉
〈昨年、JYPがNizi Projectを行った際も“親日”議論が起こった。日本との協業によるK-POPの技術流出に対する懸念や「日本にだけいい思いをさせている」という批判が相次いだ。これは昨年から続いている反日感情の延長線上にあると受け止められる〉
さらに8月下旬になって、NiziUのメンバー・リマの父親で、ラッパーのZeebraの不倫スキャンダルが報じられると、韓国のネット上では、リマのルーツをめぐる議論が起きた。
〈オンライン上で最も話題になったのは、リマの父方の曾祖父で、Zeebraの母方の祖父である横井英樹だった。(Zeebraの)熱愛説を報じた日本メディアは、Zeebraを“戦争成金”の企業家・横井英樹の孫だと説明したが、横井英樹は第2次世界大戦のとき軍服製造会社を設立し、日本軍に軍服を売って富を蓄積し、その後、不動産、海運業などで大金持ちになった人物だ」(韓国経済ドットコム、8月27日)
この報道を受けて、韓国のネットユーザーの意見も割れているという。
〈ネット民の意見は錯綜している。一部では「リマまで連座制で烙印を押すのは無理がある」という意見がでているが、「K-POPグループとして活動するには致命的」との意見も出ている〉(同前)