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《婚活市場の現実》“女性余り”と“希望年収との乖離” 統計から逆算した狙い目のゾーンとは?

2020/10/09
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 この結婚意欲の違いを、結婚適齢期といわれる年代である20~34歳までの未婚男女の人口差にあてはめてみましょう。

 単純な未婚男女の人口差では、99万人もの男余りです。しかし、結婚意欲の違いを乗じると、結婚したい人口は男299万人に対して、女308万人と、男女逆転して9万人の女余りとなってしまいます(図1-12)。

 20代だけに限ると、未婚人口差では55万人の男余りなのに対して、結婚したい人口で考えると25万人も女余りになるということです。これが、男余りといいながら、実際の婚活において女性が苦労する要因なのです。

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 仮に、20~34歳の結婚したい男性との比較で9万人の女余りだとしても、「その程度なら、まだまだ希望はある」と思われるかもしれません。

年収400万にこだわると、163万人の女性が余る

 しかし、結婚したい女性にとっては、さらに残念な事実があります。

 2018年内閣府の実施した「少子化社会対策に関する意識調査」(結婚を希望している者で結婚していない20~40歳代の女性を対象N=1343)によれば、女性が希望する相手の理想の年収は、500~700万円が32・8%ともっとも多く、全体の72%が400万円以上を希望しています。

20~34歳の年収400万円の男性は、上位19%しかいない

 あくまで希望ですから、それをとやかくいうつもりはありませんが、実際の20~34歳の未婚男性の年収分布は、逆に400万未満で81%を占めます(年収額不明を除く)。

 つまり400万以上の年収のある未婚男性はたったの19%しか存在しないのです。差し引き、53%の婚活女性は余ることになります。

 前述した結婚したい未婚女性人口である308万人にこの53%を乗じると、163万人もの婚活女性が余るという結論になります。

 経済的にも自立し、結婚する必要性を感じなくなり、あえて自発的に選択して未婚の道を突き進む人ならまだしも、結婚したいのに結婚する相手がいない女性が163万人もいるというのは、残酷な現実かもしれません。

 こんな数字を提示しておきながらなんですが、とはいえ、まだ希望はあります。