スマホのGPS機能を使って目の前に現れ...
「しばらくすると、パトカーが2台サイレンを鳴らしてやってきました。あまりの叫び声に、近隣住民の誰かが通報したのだと思います。警察が彼女と話をしている様子を見て、ほっとしました。その間に知人が駆けつけてくれたので、私は娘と一緒に知人の車に乗り込んでその場を後にしました」
A子さんは知人の家に1晩泊まった翌日、あまりの痛みから病院にかかり、頸椎捻挫、口唇挫創、左第四指打撲で全治2週間と診断された。病院を出ると見知った車が停まっており、A子さんは固まった。
「でっぱりんと彼氏が乗っていました。とっさに思ったのは、なぜこの病院に居ることが分かったのか……。また恐怖で体がすくみましたが、彼女はこちらをチラリとも見ずにそっぽを向いたまま。彼氏の方が車を降りてきたので話を聞くと、彼女のスマホと家の鍵を私が持っていたので返して欲しい、と。暴力沙汰になる前に私が預かっていたままでした。場所はスマホのGPS機能を使って特定したようです。何も悪くないはずのでっぱりんの彼氏から『ごめんね、また連絡するね』とだけ言われました。その彼氏がでっぱりんと結婚した男性です。彼らは足早にその場を後にしました」
その後、A子さんは熊本東警察署に被害届を提出。怪我の診断書とともに現場の様子を細かく伝え、警察も傷害事件として捜査に動くことになった。
「しばらくは、彼女が家に来るのではないかという恐怖から夜も電気をつけずに生活していました。何より、彼女にすごく懐いていた娘が『でっぱりん怖い』『ママのことペッチンした』『嫌い』と怯えてしまうようになったことが本当に辛かったです」
「『貸した金を返せ』という連絡が入るようになりました」
しかし“伝説の女”の腹の虫はおさまっていなかった。
「事件から2週間程経ったある日、彼女から『着払いで私の私物全部送ってください』と連絡がありました。数カ月間、彼女が私のマンションに居候していた時期があったので結構な荷物がありました。私は警察から連絡を取るなと言われていたので、言われた通りに荷物だけ送って返信はしませんでした」
その後もでっぱりんからの連絡は続いた。
「9月に入ると、今度は『貸した金を返せ』という連絡が入るようになりました」
連絡の文面を確認すると、「今まで貸したお金。数カ月間払ったお前の家賃。コロナで仕事できないときに私の気持ちで払ったお金。すべて返してください。お前は最低」と書かれているが、A子さんは「完全に認識の違いです」と説明する。