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 でも、ライブで興奮して息苦しくなったら、マスクを着けるリスクのほうが増しますから、取ったほうがいいでしょう。

 ミュージシャンのほうはマスクを着けて歌ったり演奏したりは大変でしょうから、必要ありません。距離をしっかり確保していればいい。通常の飛沫感染対策(ソーシャルディスタンス)で十分です。

 マスク以外の方法も、同じ理由で不要だと考えます。フェイスシールドとか、お店のアクリル板やビニールみたいな。そういうのがあると、音響上も良くない気がしますし(音響については素人なので、適当なことを言っています)。

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一般的なコロナ対策が、音楽関係のコロナ対策と同義

 過去のライブハウスでの感染を考えると、人と人との距離(ソーシャルディスタンス)と接触感染予防(頻回な手指消毒)、そして適切な換気が重要で、要するに「一般的なコロナ対策」が「音楽関係のコロナ対策」とほぼ同義になります。席がツメツメにならないよう、肩と肩とがすりよったりしないよう、もちろん、ハグなどもないような環境が大事です。そういうタイプのライブをぼくはよく知らないので、ファンにどのくらい許容できるかははっきりは分からないのですが。

 適切な換気の頻度もまだはっきりとは分かっていませんが、すでに何度も申し上げているように、「今の」日本で感染者がたくさんいる可能性は非常に小さいので、曲の最中に換気をするような無粋な真似はしなくてよいと個人的には思います。

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「フェス」の開催は可能なのか

 空間と時間こそが感染対策の要諦なのですが、時間も大事ですね。よって、朝から晩まで演奏したり、何日も興行する「フェス」のようなタイプのイベントは実施困難だと思います。

 全国公立文化施設協会がガイドラインを定めています。また、コンサートプロモーターズ協会、日本音楽事業者協会、日本音楽制作者連盟が「無観客公演」のガイドライン を定めています。

 無観客も、スポーツ同様、当初のリスクヘッジとしては妥当性が高いものですから、興行上のフィージビリティ(実行可能性)が許せば、一つの選択肢だと思います(会場までの歩行がしばしば集団を作りますし)。