今年の話題は9人組の日本人ガールズグループ「NiziU」
そもそも韓流は、96年にSM社からデビューした5人組のボーイズグループ「H.O.T.」が90年代後半に中国で大ヒットしたことから始まった。「H.O.T.」は韓国で初めてアイドルという存在を知らしめ、音楽事務所がスターを作るシステムが生まれたとされている。
SM社がコスダック市場(新興市場)に上場したのは2000年。韓国の芸能事務所としては初めてのことで、当時、「日本のジャニーズ事務所とホリプロを合わせたような巨大なプロダクション」とも例えられた。
市場規模の小さい韓国にとって海外進出は必然だった。韓国のエンタメ界が自身のコンテンツが商品となると確信したのは、日本でヨン様ブームを起こしたドラマ『冬のソナタ』の成功だったといわれている。
時は流れ、今年、日本のエンタメ界の話題をさらったのは、パクCCOが総合プロデューサーとなり、誕生させた9人組の日本人ガールズグループ「NiziU」の登場だ。12月の正式デビューを前に6月にリリースした曲「Make you happy」が大ヒットとなったのは周知のとおり。
パクCCOは、「NiziU」を輩出した「虹プロ」と同じような公開オーディションを米国と日本で再び行い、米国人メンバーによるガールズグループと、日本人メンバーで構成されるボーイズグループを誕生させると発表している。
K-POP界では、外国人メンバーを入れた混成グループを第2ステージ、そして、現地化したグループを第3ステージとしており、ベトナムなどでも同じようなオーディションを行い、現地のアイドルグループを選出し始めている事務所もある。
日本の大衆文化は韓国で禁止されていたが...
さて、鳴り物入りでコスダックに上場したBH社も他社と同じように第2、第3ステージへ踏み込んでいる。
すでに世界に応募をかけた公開オーディションから7人組のボーイズグループが誕生しており、メンバーには日本人1人が入っている。また、「NiziU」と同じく日本人メンバーによる男女それぞれのアイドルグループのオーディションが日本ですでに行われたという。
かつて日本の大衆文化は韓国で禁止されていた。1998年から段階的に解禁されたが、解禁を巡って韓国はそれこそ蜂の巣をつついたような大騒ぎとなった。解禁は時期尚早とする意見の中には、「韓国の大衆文化が日本のそれに呑み込まれてしまう」というものがあった。
しかし、それから20年あまり。
広がっているのは、まったく異なる景色だ。