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連載池上さんに聞いてみた。

米大統領選を取材した池上さんが解説する「今回、結果判明に時間がかかるワケ」

米大統領選を取材した池上さんが解説する「今回、結果判明に時間がかかるワケ」

池上さんに聞いてみた。

2020/10/28
note

Q アメリカの大統領選挙、どうして時間がかかる?

 11月3日にはアメリカの大統領選挙がありますが、すぐに結果が出ないという話をききました。日本の開票速報は締め切りと同時に、かなり正確な結果がテレビ各局で報じられるのに、どうして時間がかかってしまうのでしょうか。(60代・女性・主婦)

トランプ大統領の「勝手に勝利宣言」もある?

A 今回は、出口調査ができないからです。

 4年前の大統領選挙では、かなり早い段階で当選が決まりました。各州で報道機関が協力して出口調査を行い、開票結果が出る前に州ごとに「トランプ勝利」「ヒラリー勝利」を伝えたからです。それぞれの州に割り当てられている大統領選挙人を270人以上獲得すれば当選が決まります。

 過去の選挙では、テレビ報道を見て負けを悟った候補者が、相手候補に「当選おめでとう」と電話して、勝敗がつきます。

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 ところが今回は、期日前投票や郵便投票が多いので、出口調査ができないのです。このため、実際に開票結果が見えてくるまで、州ごとの勝敗はつきません。

 また、郵便投票は一つ一つ開封して集計するのに時間がかかります。

 さらに、トランプ大統領は、たとえ劣勢になっても「選挙は不正だ。自分が当選した」と勝手に勝利宣言してしまう可能性もあります。そこで、なかなか当選が決まらないのではないかと言われているのです。

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