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くにちゃんが坊主になった!

山田 私ね、当時『ひょうきん族』と同時に時代劇に出たんですよ。かけもちする番組が1日に3本ぐらいになると、かつらをかぶったり外したりで、髪の毛がボロボロになっちゃうの。それで一度、丸坊主にしたことがあって。

ーーそれも大事件でした。「くにちゃんが坊主になった!」って。

山田 私、実は坊主は学生の時もやってるんですよ。髪の毛なんかいつか伸びるし、たいしたことないなって思ってたんですけどね。でもたけしさんはそれを見て「お前はすごいな」って、それも1回だけ言ってくれましたね。その時初めて「あっすごいんだ」「私すごいことしたんだ」って思いました(笑)。

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ーーワイドショーでも連日取り上げられてました。

山田 すごかったよね(笑)。あんなことになると思わなくて。かつらだったんです、問題は。それだけの理由だったんですけど。たけしさんがまたずる休みして、それで「(代打として)生放送に来なさい」って日曜日の朝に事務所から呼び出されて。「あの、髪の毛ないですけど」って正直に言ったのに「そんな言い訳は通らない」って却下されちゃって。

ーー「お化けが出る」は通るのに(笑)。

たけしさんの「お前すごいな」の真意

山田 仕方なく帽子かぶっていったんですけど。でもこめかみのところ髪がないからおかしいですよね。なんだか会場もざわざわしだして、しょうがないから帽子取って「どうもすいませんでした」って言ったら、もうその生放送中にワイドショーがわーっと来てて。なぜか「円形脱毛症だった」ということになってたけど、円形でもなんでもなかったんですよね(笑)。

 

ーー深読みすると先ほどの「男になりたい」って気持ちの現れだったのかなって、少し思いました。

山田 ああ……たけしさんが「お前すごいな」って言ったのは、そういうところだったのかもしれない、たぶんね。たけしさんはそう思ったんでしょうね。

ーー女性的なものを捨てる、そこまで思いきれるのか、みたいな。

山田 あの頃は何も思ってなかったんですよ。だってこんなに今、毛生えてるし。