続いて私は、前回の話題で出た、彼のスカウト時代の生活について質問した。
「スカウトを始めるとき、それまでの座間市のアパートを引き払って、東池袋にある家賃8万円のマンションに引っ越しました。8階建ての6階で、8畳に風呂トイレ別の部屋です」
前のアパートの家賃が2万1000円だと聞いていた私は、「8万円って高くない?」と尋ねる。
「サラリーマン時代の貯金もあったんで…。でも、結果オーライでしたね。女の子を部屋に連れ込むと、みんな『いい部屋』って言ってましたから」
「スカウトの仕事はどうやって覚えたの?」
「最初のスカウト会社で全部教わりました。まず、女の子と知り合って、(風俗の)仕事をさせるまでのLINEのやり取りを見せてもらって、マネをするんです」
新宿でのスカウトは「ボロい商売」
そこにはいくつかのコツがあるそうだ。
「基本的には、相手の要望にはすべて応えるようにするんです。『(1日)5万円稼ぎたい』や『個室待機がいい』とか言ってくるんで、会社にある(風俗店の)リストと照らし合わせて、合う店に紹介したり、女の子の顔とかスタイルがいいと、『こういう子なんでお願いできませんか』って、店との交渉もしてました」
とはいえ、最初のうちはうまくいかず、成果が出せないことから5カ月でクビになり、別のスカウト会社に転職している。そこは社内での事務仕事もあり、女の子をスカウトできなくても固定給が入ったという。
「基本給が20万円で、あとは歩合です。女の子の稼ぎの15%と、それから顧問料として、女の子が店に1日出勤したら5000円が支払われていました。ボロい商売ですよね。考えられないですよ」
だが白石は、そんなに仕事ができるほうではなかったと自ら語る。
「もう全然ダメでしたね。一番稼いで月に30万円くらいですから。まず僕にやる気がなかった。女の子を口説くのが上手くなかったし、外見がイケてないし…」
「いやでも、そんなことはないんじゃない?」
「いやあ所詮、座間や横浜と、新宿のレベルの違いですよ。新宿はホストやってますみたいな、見た目のイケメンがいっぱいいて、あんなんに勝てないですよ」
そう謙遜するが、スカウトの仕事自体は気に入っていたようだ。