「基本給が出て、すごいイイ仕事だと思ってました。スカウトって、極端な話、ソファで寝転がって、女の子と連絡取れればいいんですから。楽して儲かる仕事ということですよ」
「でも、(職業安定法違反容疑で)逮捕という代償を負ったでしょ?」
「あーーっ…」
そう唸った白石は、残念そうな顔をして続ける。
「あのときに捕まったのが大きかったですね。捕まってないと、犯罪とかせずにスカウトやってたし…」
逮捕されて裁判で執行猶予が付いたことで、自分の生活が変わったのだと語る。
「執行猶予中だからスカウトの仕事に戻れなくて、だけど、まともに働こうという気にまったくなれなくて、窃盗とか詐欺とかの悪いことをして稼ごうと思ったんですけど、やり方が思いつかなかったんですよね。それで、ヒモになるくらいしか思いつかなかったから、SNSで女性を探して、食わせてもらおうと…」
「被害者は"自殺"で募集したんじゃない」
そこで白石は思いもしないことを言った。
「外(世間)では、僕が被害者を“自殺”で募集したとあるけど、事実じゃないんですよね。具体的には“死にたい”や“さみしい”“疲れた”で検索したんです。そういう精神的に弱ってる子だと口説けるって、安易な考えだったんです」
さらに彼は続ける。
「それで2人目の子と知り合って、貯金があるとわかって、殺しちゃったんです」
「ちょっと待って。じゃあ1人目の子って?」
「SNSで知り合ったんですけど、当時32歳のマッサージ師の子です。この女性は8月頭から10月半ばまで付き合ってました。彼女は殺してないですね」
8月頭から10月半ばといえば、まさに白石が殺人に手を染め、7人目(起訴状の殺害日は9月30日頃)か8人目(同10月18日頃)の被害者に手をかけていた時期に被っている。
この“新情報”を聞いたところで、残念ながら面会時間のリミットが訪れた。