1ページ目から読む
3/4ページ目

福島県に生きて帰そうと思っていた

 部屋で宅配ピザを頼み、その代金もFさんが支払っている。食事をし、コーラで割ったウィスキーを飲みながら、ヒモになろうという流れになっていった。このとき、Fさんもウィスキーのコーラ割りを飲んでいたという。そして、話をしているうちに、白石被告が持っていた安定剤のデパスと、睡眠薬のハルシオンを勧めることになる。

「話をしていたら、不安を感じたと言っていました。そのため、『これを飲めば、安定するよ』と、安定剤を勧めました。また、(1人目に殺害した)Aさんが持っていた薬の瓶を見て、興味を示したので、その薬を飲ませました」

 この頃、Fさんは友人たちとLINEをしていた。捜索願が出されるかもしれないという話になっていた。白石被告は、Fさんからお金を引っ張ろうとしていたことから、この段階では、福島県に生きて帰そうと思っていた。Fさんを心配していた友人とのLINEでは、朝から自殺の話になっていた。以下はその一部だ。

ADVERTISEMENT

Fさん 今日の夜、実行なんだ。遺書を置いてくるのを忘れた。親に連絡をとって、遺書を送ってほしい。

友人 自殺をするのを協力するのは犯罪になってしまうので、できない。

Fさん じゃあ、現場に(遺書を)添えることにする。

©iStock.com

Fさんの最後のツイートは「ろれつが回らない」

 この後、2人はLINEで9時46分から10時25分の間、通話した。その後、友人は、110番通報している。そして、警察から「LINEのやりとりをやめないでほしい」と言われて、その後も続ける。Fさんが白石被告と会う直前にはこんなやりとりがあったという。

友人 どこにいるの?

Fさん ああ、心中相手のところ。あと2駅かな。

友人 どこか教えて。

Fさん 連れ戻そうとするから嫌だ。

友人 心中相手には会えた?

Fさん 場所は夜に言う。またね。

友人 どこにいるの?

Fさん 今、家だから無理かも。ごめん、死ぬ直前じゃないと通話できない。

 夕方を過ぎると、「帰るよ、信じて」と友人に送っている。同じ頃、母親にも「今から帰る」とのメッセージを送った。これは、白石被告が指示したものだった。しかし、お酒を飲んでいると、いつの間にか2人は寝てしまっていた。Fさんの最後のツイートは「ろれつが回らない」というものだった。お酒と薬が効いてきたのだろうか。