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小林 映画では「クラスメイトが敵」って設定だったので、一緒に見た友達みんなすっごい空気になっちゃって。感想も言えなかったし、どう解散したかも思い出せないです。

 僕も大人でしたけど、衝撃的でしたからね。

小林 なぜ学校で見るなと言われたかっていうと、石井(紘基)さんという議員が「これはちょっとマズいものが世に出てきたぞ」って取り上げて、国会の議論にまでなったんです。それで映倫の「R-15」。

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 すごい! ほっとけないぞってなっちゃったんですね。

小林 ほっとけないってカッコいいですね! “創作物によって権力側を騒がす”、これ、ロマンですよ!!

 なるほどね!

バトル・ロワイアルを見る2人 ©MBS

 怖いわ、やっぱり。俺、もう1回見ろって言われたら見れねえもんな。

小林 俺はすでに、もう1回見たくなっていますね。この映画の背景としては、深作監督ご自身に戦争の体験があって、権力を全然信用してないんです。「国っていうのは、こうやって従うしかない状況を作り出して、平気で命令してくるよ」という当事者意識が明確に出ている。映画では、身近な大人や先生が権力側としてルールを作っているので、子供ながらに我がことのように思ってしまった。

 なるほどね。

小林 実際に周りにいる大人たちが、「お前たちは戦わなきゃいけないんだ」、「それが正しいことなんだ」って言ってくる、そんな気になったんですね。 

 (バイオレンス映画って)暴力的なシーンを見て、スカッとするのが醍醐味なのかなって思ってました。でも、作品の奥に伝えたいことが眠ってるんすね!バイオレンス映画の見方が全然変わるわ!

小林 実はその後、当時、中学生や小学生で見たいけれど見られなかった人に向けて、再撮と編集が加わった「バトル・ロワイアル 特別篇」ってものが作られたんです。素敵なアレンジがされているんですよ。

 表現を和らげてるんですか?