小林 その逆で、規制を受けたってことを逆手に取ってるんです。真っ赤な画面に「15歳未満はご覧になることができません」っていう文字がデカデカと出る。すると、その文字が何者かによって切り刻まれるんですよ、ズバっ!! って。その奥から、「バトル・ロワイアル 特別篇」ってタイトルが出てくるんです。これがすごくカッコいいと思いまして。
淳 なるほど、指定を受けても知ったこっちゃねぇ、みたいなことなんですか?
小林 そうですね、そんなことがあったとしても、俺たちが撮ったものはここにある!! と。
小林 ざまあ見ろ!!!!
淳 ハハハ。ざまあ見ろって言ってるよ(笑)。
小林 作品のテーマと、作品によってもたらされた騒動とが似ているんですよね。伝えたいことがあるのに「そんなのはダメだ」って抑えつけてくる。で、規制が入る。自分が描こうとするテーマに、深作欣二監督が当事者として立っていたんです。
淳 その事態に対して、表現の自由、つまり映画の演出を以て斬った、ってことですよね。
小林 はい、それがカッコいい!!
淳 「バトル・ロワイアル」がこんなに反骨精神の映画だったというのは、小林監督に説明してもらわないと知らなかったですよ。でも、もう1回「バトル・ロワイアル」見ることはないすね……それくらい怖かった……。
小林 ハハハ。
◆ ◆ ◆
小林 続いて、「SHIBUYA TSUTAYA」渋谷フィルムコレクションです。これはSHIBUYA TSUTAYAの中に急にできたコーナーで、6000タイトルのVHSを取り揃えて貸し出しをしている、超マニアックなコレクションなんです。
淳 6000タイトルもあるんですか。
小林 壁一面に6000タイトルがバァーって並んでて。
小林 配信もDVD化もされておらず、権利元が不明な作品が大半だと思うんですよね。