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「ホスト漬け・同居・マインドコントロール」“太宰府の女帝”が普通の主婦(36)を“奴隷化”して暴行殺害するまで

「ホスト漬け・同居・マインドコントロール」“太宰府の女帝”が普通の主婦(36)を“奴隷化”して暴行殺害するまで

genre : ニュース, 社会

「あの2人はまさに主人と下僕みたいな感じ。たまに2人でお金の話もしていたので、きっと飲み代をおごったとか貸したとかで、あとから金を請求していたんじゃないですかね。みゆは昔からそういう女なんです。ホストにハマらせて借金をわざと作らせる。これまでにもそういうことはありました。でもまさか瑠美ちゃんが亡くなってしまうとは……」

山本被告(左)と瑠美さん(右)

 山本被告と行動をともにするうち、瑠美さんは次第に変わっていったという。前出のホストXさんが語る。

奇抜なメイクに異様な食事量……瑠美さんの変化

「最初は素朴で普通な感じだったのですが、化粧がどんどん濃くなっていった。しかも派手になるという感じではなくて、なんか奇抜な化粧なんですよ。目の上を青く塗ったり、眉毛をすごく濃くしたりとか。

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 あと、最初に会った時と比べるとめちゃくちゃ太りました。なぜかというと美幸さんが瑠美さんにすごい量を食べさせようとするんです。ホストクラブでも夜遅くにペヤング大盛を2つ食べさせて、その後にパンも食べさせるとか……。異常ですよね」

 変貌していく瑠美さんの様子を見て、Xさんはある女性の事を思い出した。その女性も、山本被告が数年前に店に連れてきたのを機に、ホストにハマっていったという。

山本被告(左)と岸被告(右)

「数年前にも、瑠美さんと同じようなパターンがあったんですよ。瑠美さんと同じく、美幸さんが急に連れてきた女性がいて、その人も頻繁に美幸さんとホストに通っていました。その女性は舎弟のようになっていて、美幸さんの運転手をしていることもありました。ふくよかな感じで、みんなから『親方』って呼ばれていました。

 でも急に彼女が店に来なくなったんです。どうしたんだろうと思っていたら突然、美幸さんから電話がかかってきて、『(女性が)死んだ』と。死因については聞いていません」

犯人らの会話音声が示すもう1人の被害者

 田中被告の裁判は2020年9月からすでに始まっている。そして法廷では検察側の証拠として“ある音声データ”が提出された。それは山本被告らが瑠美さんに暴行して死亡させた後、車で遺体を運ぶ際に録音されたものだという。

遺体が発見された駐車場 ©文藝春秋

山本被告《美奈子のときはアザも何もなかったけんよかっただけよ。アザがあったら絶対調べられる》

岸被告《戸籍も調べられるかも》

山本被告《戸籍調べられたらアウトよ。●●(Aさん)のことから全部バレるわ》

田中被告《●●のこと?》

山本被告《●●のことから美奈子のことまで全部や》

 美奈子とは一体誰なのか。「親方」と呼ばれた女性はなぜ亡くなってしまったのか。それは公判でもまだ明らかにされていない。そして瑠美さんはなぜ家族を遺して死なねばならなかったのか――。

 取材を進めると、山本被告らの犯行前夜の足取りが明らかになってきた。

#2に続く】

 11月1日(日)21時から放送の「文春オンラインTV」では、担当記者が本件について詳しく解説する。

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